「ブラックボックス」に対する私的考察

僕が描く作品群の中には、シリーズとして描いた抽象表現的な作品群があります。それが「ブラックボックス」として描いた作品たち。これ等は僕自らの過去の体験に依拠しており、決して看過し得ない思いに駆られているのです。それは怒りであり、不条理に対する憤りであり、究極の「No!!」の叫びにも近いもの。最も不条理なのは、自らがブラックボックスの渦中に居る人物たちの発言であり、行為であり、彼ら彼女らが、自らの渦中の現実を、やむを得ない事として受け止めてしまっているということ。これは所謂諦めなのか? そんなこなを受け止めつつ描き続ける。今もなお「ブラックボックス」をテーマとしての制作を行ない続けているのです。