久しぶりの「石焼ビビンバ」の旨味辛みにうっとり

国家庭料理の王道を行くのが「ビビンバ」であるということはおそらく多くの関係者が認めるところであろう。おいらも韓国家庭料理としてのビビンバのメニューを愛する一人であり、時々口にするのを楽しみにして過ごしている。

ところがどっこい、なかなか東京でビビンバの味に遭遇するのが難しくなって来たところだが、先日は正当的石鍋で焼くビビンバの辛みご飯にうっとりすることが出来たので、レポートしておきたい。

簡単に述べれば、ビビンバというメニューは韓国一般の混ぜご飯のことである。モヤシ、ニラ、キムチ、人参、玉葱、そして鶏肉やコチジャン、胡麻等の調味料とともにご飯に混ぜていただくというのが定番。石焼ビビンバはそんな素材をざっくりと石鍋に盛り、それを火にかけて熱々にしたところでご飯と混ぜていただく。伝統的な家庭料理としては少々ならず贅沢な料理行程を踏むのである。ちゃんとこの行程をとうしゅうした料理であればこれがいただけないはずが無いのだ。

正当的具材のモヤシ、ニラ、キムチ、人参、玉葱、そして鶏肉、胡麻等々が盛られている鉄鍋に赤々として注目を集めるのが韓国料理の出色調味料とも称されるコチジャンだ。多ければ良いというものではない。あまりに多すぎれば食材の持ち味を殺いでしまうが、ほどほどに辛みと食感を左右するべきものがこのコチジャンだ。

控えめに乗ったコチジャンの様を目に仕留めながら、熱くなる鉄鍋の感触にときめいてもいたのである。そして熱が充分に鉄鍋に移った頃を見計らってのかき混ぜ作業である。これこそが焼きビビンバのクライマックスなのだ。丁寧にかき混ぜることで、食欲は否が応でも拡大し続けていたのであった。