昔ながらの「あんかけかた焼きそば」は懐かしさ以上の味わい

ふと立ち寄った郊外の中華料理店で「あんかけかた焼きそば」を食した。フライパンで焦げができるまでじっくり焼いてパリパリになった麺の上に、白菜、人参、竹の子等の多種類の野菜にハム、海老、木耳、マッシュルーム茸、等々のたっぷり具材のあんかけがとても旨く、とても懐かしく感じさせる。

たまに食べればとても旨く感じるメニューだが、我が国ではメジャーな料理ではない。中華店でもメニューの端に乗っているのがほとんどである。油脂たっぷりでカロリーが高そうなことや、ヘルシー志向に似合わないこと等の要因が考えられる。

それでも昔ながらの「あんかけかた焼きそば」にはカロリー過多でも食べたくなる要因が詰まっている。短時間に強烈な炎で調理する中華料理の技法がこの一品には凝縮しているのだから、国際的な伝統料理なのだ。あんかけのとろみで艶やかな大海老を口にすれば、とてもそんなことを実感する。