伝統的なものより一回り小さくなった上州の「コロ焼きまんじゅう」

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上州前橋に帰省し「KEYAKI WALK」というショッピングモールを訪ねていたところ、ふと芳ばしい焼きまんじゅうの香りにうっとりと鼻腔をつかまれていた。香りの方角に目をやったところ、オレンジ色に塗装された焼きまんじゅうの露天移動販売車を見つけたのであり、近づいてみると、移動販売車両の中ではスタッフが焼きまんじゅうを焼いていて、芳ばしい香りの元であることがわかったのだった。この焼きまんじゅうとは上州特産の地元グルメのひとつである。

http://aentryfoods.wakatono.jp/index.html

 

幼少のころから高校を卒業して地元を離れるまで、焼きまんじゅうを焼く芳ばしい香りは、それだけで食欲を刺激する甘味なるおやつの香りそのものではあり、もちもちしたまんじゅうの生地と甘辛い素朴な味噌味のハーモニーに加えて、じっくり火を通して焦げ目をつけて焼かれるこうばしさが、上州の風土には当たり前のようにしっくりと溶け込んでいたのである。望郷の念を累乗させるにもってこいの要素であると云っても良い。

オレンジ色の移動販売車周辺を観察すると「コロ焼きまんじゅう」というのぼり旗が目に付いていた。「コロ」というのは小さいという意味のようで、一口大の大きさである。伝統的焼きまんじゅうの大きさは、その倍くらいあるのだが、全国的な嗜好の平均値をとって小ぶりにしたものと思われた。味付けはこれまた伝統的な「味噌」味に加えて「ごまだれ」味、「ネギマヨ」味等が用意されている。全国展開を図るためには郷土人の味覚よりも全国一般的嗜好性に合わせたアプローチが必要ということなのかも知れない。

「味噌」味、「ごまだれ」味をそれぞれ1本ずつ食べてみたところ、やはりゴマダレよりも味噌味のほうが食べ慣れているぶん、納得できる味付けであり、やや焦げ目のついたもちもちしたまんじゅうの素朴な食感とともに満足した。昔は飽きるくらいに大きかったが、この「コロ焼きまんじゅう」は食べた後の物足りなさが生じるのであり、これが全国一般的日本人の嗜好性にマッチしているのかも知れないと考えていたのである。