上州前橋が誇る近代詩人の大家を記念する「萩原朔太郎記念館」を散策

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上州前橋が誇る我が国の近代詩人の大家こと萩原朔太郎さんの記念館を散策した。

■萩原朔太郎記念館 群馬県前橋市敷島町262 敷島公園ばら園内

前橋市内の北に位置する市民の憩いの場こと敷島公園内の、バラ園と呼ばれる一帯の敷地の中にその「萩原朔太郎記念館」はある。あまり市民には知られていないと見えて、今回訪れたときも訪問客は少なかった。却っておいらはゆっくりと散策できたのでありラッキーこの上なきなのであった。

もともとは朔太郎さんの実家、生家は市街地の北曲輪町(現・千代田町二丁目1番17号)にあり、父は地域の名医として信望厚く、一時期は患者に整理札を出すほどであったという。しかし大正8年にその父が老齢のため開業医をやめたので、萩原家は石川町に移った。このとき北曲輪町の家は津久井夫婦が入り「津久井医院」を開業し、実質的に津久井家が萩原医院の後を受け継いだということである。

記念館はその後に、敷島公園内に移築されたものとなっている。「書斎」「離れ座敷」「土蔵」という3体の建造物がその記念館として立ちつくしている。もともとは数十の部屋を有した萩原御殿の生家と比すれば、3つの部屋ではありとても狭い敷地内に移築された記念館ではある。

おいらを含めてもともとの朔太郎ファンにとっては些か残念な気もするが、それでも代表的な萩原家の造りを今に残していており、萩原朔太郎さんの作品が創作された現場としてとらえればまた、感情移入することの出来る記念館となっている。

朔太郎さんが生家に住んでいた頃は、特に「離れ座敷」とされる部屋には、北原白秋、若山牧水、室生犀星などの詩友が訪れてこの部屋に通されたとされている。群馬県のみならず我が国における近代文学の発祥の場として貴重な記念館ではある。