紅葉一歩手前の赤城山の覚満淵は、赤城本来の素の姿なのだった

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上州赤城山へとバスで向かった。終点の「赤城山ビジターセンター」で下車すると、すぐのところには「覚満淵入口」の表示板が迎えている。赤城の観光地として「大沼」と「小沼」の間に位置して知名度は低いが、湿原に生息する植物や綺麗な湖沼に息付く小魚等々の生息地として注目が高い湿地帯である。其処は標高約1360mに位置する極めて希少な湿原帯である。別名「小尾瀬」という名称も、尾瀬万歳の上州人の一人としてのおいらにとっては納得なのである。

もう少しの時間が経過すればこの一帯は紅葉で覆われることになるだろう。けれどもそんな紅葉の色彩が乱舞するような風景は残念ながら感受されずにいた。だが却って、今日の綺麗な湿原の空気と沼地の凛として澄んだ佇まいが、より一層に強く感じ取れていたのだのだった。紅葉ありきの秋季の観光地ではなく本来の赤城山の姿が其処にはあったと実感することができたのである。紅葉の時季は迫っているが、これからそんなピタリの紅葉に遭遇できるかどうかは判らない。だが今現在の目にした赤城山の風景こそは、本来の赤城の素の姿なのだと感じられたことはラッキーでもあった。

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散策の後で立ち寄った食事処では、十割蕎麦を味わうことができた。しかも丁度いいタイミングで新蕎麦だということなのであった。上州蕎麦の味付けそのままに濃い味だったので新蕎麦の風味を味わうという訳にはいかなかったのだが、パサパサとして途切れる独特な食感の蕎麦は、此処でしか味わうことができないものだったといえよう。