「BRUTUS」の吉本隆明特集は晩年の起死回生のヒットかもしれない

雑誌「BRUTUS」の最新号では吉本隆明特集をやっている。

http://magazineworld.jp/brutus/679/

おいらの中学・高校の先輩でもある糸井重里さんがコーディネイトをしているということから大変期待をもって読み進めていたのであるが、何なんだ、この意想外な感覚は? まるで吉本さんらしくない「ことば」がいろいろ引用されていて、呆気にとられてしまった。まるでゆるいコメントである。ぬるいと云っても良いくらいである。

現代のコギャル(古いか?)ことAKB48の人生相談など、吉本さんの仕事とはとても云えない筈なのになあ。だが少しずつページをめくっていくうちに、糸井さんはじめ特集の作り手たちの云わんとすることはだいぶ理解できていた。こうした日常の言葉遣いのコミュニケーションを大切にして、吉本さんの巨大な思想は成立したんだなあということも、納得できたのである。

吾が国の思想界の巨人と称されて久しい吉本さんだが、少し前には小沢一郎賛美などとも捉えかねない変てこりんな色が付いちゃって残念だったのですが、好々爺吉本先生の姿としては、とても微笑ましいものがあるなと感じたのでした。