前橋「西洋亭」のカレーは思いがけない出逢いの味わい

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帰省中の上州前橋では地元店でランチを食べる機会が多いのだが、「西洋亭」という一見ありきたりの店名のカレーは、特別な出会いを感じとっていた。同「西洋亭」は前橋の市街地の一角に店を構えており、郷土食として浸透している「ソースかつ丼」の元祖だか発祥だかの店だという。おいらは先日、此処の「ソースかつ丼」を食しており、地元産豚肉の旨さに加えてソース味がマッチしていることに感動を覚えていたものだ。だがそれ以上のインパクトを与えられたのが同店の「カレーライス」なのだった。カレーのルーに煮込まれた豚肉はじっくりと味が染みていて柔らかく、豚肉の旨い出汁が滲み出ている。西洋亭という名前に反して和風の味付けも処々に感じさせる。ソウルフードの一つにノミネートしたいくらいにその味はしっくりして、おいらの味覚に焼き込まれてしまうようなのである。

もう一つ付け加えておきたいのが「西洋亭」の店内の趣き成。築数十年は経つであろうと思われる其の古き良き昭和の時代の外観以上に、その趣きは凄いものがある。おいら自身が青少年時代を過ごしていた頃のアイテム達が店内の至る所に蔓延していて、さながら昭和時代の時代的移築物のような趣なのだ。上州前橋出身の萩原朔太郎さんの実家が敷島公園内に移築されている以上のインパクトを感じ取るに充分なのであった。

■西洋亭 市 前橋店
群馬県前橋市千代田町2-12-12
027-235-6846