ある旅の日の記憶
12月 02, 2025

キャンバスにミクストメディア M10号
ある旅の日の記憶
先日に出かけた旅で訪れた地域、その地の一時の捉えて描いた作品です。その場所とは、決して著名な名勝地、観光地ではなく、決して歴史的意味付けのある場所でもないのでありますが、とても印象的な一瞬をこの目に、我が目に、焼き付けておきたかった場所だったのでありました。
里を横切る道にたたずんでいたのは、野生化された犬なのか? それとも狼か? 狐か? よくわからないままにその生き物を眺めていた。人と離れて相当な時間が経っていると思われ、野生化されている。旅人との邂逅に、たぶん面食らっていたのであろう。ただただ、視線を交わして挨拶するだけの出会いであった。取り残された里の風景の現状を目の当たりにし、記憶の奥底に刻み付けていたのでありました。
そもそも人生にとって、旅とは必須のアイテムであります。人生において旅がなければ人生そのものが成り立たないと云っても良いのです。旅が先か? あるいは人生が先か? といった議論は置いておくとして、僕自身にとっての旅の重要性、なかんずく、旅がもたらす精神の高揚感については、過去からの人生の贈り物だと云って良い。まさしく人生にとっての旅の重要性を再認識させるにはこれ以上ない気分なのです。
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宙を舞う
11月 23, 2025

キャンバスにミクストメディア F10号
宙を舞う
少年の頃にはよく、宙を舞ってあれこれを探検する夢を視ていたものでありました。だが大人になればそんな夢をとんと視なくなってしまった。宙を舞うという行為は、ある種の全能感にも繋がるのであり、少年の頃に夢見た全能感を、いつの間にか諦めてしまった、そんな象徴的な事柄なのかも知れない。
ともあれ今尚、宙を舞うことに憧れ続けていることは変わりがない。どんなに齢を重ねても、中を舞う願いを抱きつつ、生活を、制作を続けているのです。
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羽根を持つ天女
11月 17, 2025

キャンバスにミクストメディア F4号
近頃は人物画を描くことが減っているなと、自覚があり、そんなこんなのジレンマも相まって、人物画風の作品に着手しています。その第一弾がこれ。
題して「羽根を持つ天女」とタイトルを付けてみました。モデルの天女が持っている背中の羽根は、鳥の羽根というよりもむしろ蝶々の羽根に近いものであります。鳥類ほどには勢いのある飛行は出来ないが、それを補うに足る蝶々の飛行とは、意表を付くほどの優雅な飛行である。いつかきっと芸術的な舞いを見せてくれるだろう。羽根を持つ天女が舞った姿を、いつか何時か描いてご披露するので、お楽しみに。
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豊穣の里
10月 19, 2025

豊穣の里
キャンバスにミクスドメディア F30号
「豊穣の里」シリーズとして描いている新作です。毎回のシリーズ作ですが、今回の作品に初めて登場する植物の息吹にスポットを当てつつ、筆を進めていたのです。都会の街中では決して出会うことのない、唯一無二のいのちの姿に、魅了されていたのです。
里を旅することは即ち、あたらしいいのちとの出会いであると、改めて感じている昨今なのです。
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清浄の里
10月 06, 2025

清浄の里
キャンバスにミクスドメディア F30号
清浄の湧き水があふれる里の、或るひと時を描いた作品です。その一部は川となって大河を作り、海に流れる前の、とても動きの有る一瞬として捉えたものであります。
一旦は筆を置いた数日後、僕はこの近作に手を加えていた。信州の旅の道中で目にした景色、とりわけ流れる水の清澄さが胸を捉えて、近作の中にもその要素をより一層的に、特化して表現したいと思ったのである。流れる水と、心地よい風の調べは、やはり旅という体験の中で深まっていったのだと想うのです。
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芽吹きの里
9月 04, 2025
芽吹きの里
キャンバスにミクスドメディア F100号
里山の存在感が色濃く聳えるこの場所から、たくさんのいのちが芽吹いている。物語を紡ぎだすいのたちが生まれていることを、何時も感じる。それは小さな芽吹きなのかもしれないし、或いはもっと大きな成長なのかもしれない。
年間を通し、季節が過酷の冬の時代を過ぎて、芽吹きを始めるのは、春の季節である。春に芽生えを得ていのちの息吹を表現するのはその時間は限られてはいるのだが、現在は、夏から夏の終わりにかけての一時期ではある。此の時期の里山の相貌はといえば、まことに不思議な相貌を呈しているので、僕は一層の興味関心を抱いていたのであります。
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妖かしの里
8月 11, 2025
妖かしの里
キャンバスにアクリル他ミクスドメディア F100号
僕がこの数年描き続けている「妖かしの里」には巨大な猛禽が棲んでいるのであります。例えば人間の社会には「能ある鷹は爪を隠す」などということわざがあるのですが、作品のモデルとなった此処に棲む鷹(或いは猛禽類の一種)は、爪を隠してはいないのです。
そんな人間世界の下世話で、しかもさもしいことわざなどとは関係なしに、野性味にあふれているのであり、だからこそその勇姿に惹かれるのであろうと思う。
この場所に登場する猛禽類は獲物たちを探っているのではなく、気高い勇者として此処の古里に存在しているのです。
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妖かしの里
妖かしの里
キャンバスにアクリル他ミクスドメディア F100号
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妖かしの里
6月 16, 2025

妖かしの里
キャンバスにアクリル他ミクスドメディア F30
季節が春から夏になり、我が地域の至るところで、芽吹きの姿を目にするようになりました。植物が芽吹きを始めている、そんな姿はまるで寒かった生命が解放されるかのようであり、わくわくするばかりなのです。かといって日々を浮かれて過ごすわけにもいかずに、描いていたのは、妖かしシリーズの春編です。
命が芽吹いた地域には、その舞台となる、湧き水からなる水源を蓄えてある河川や小沼の存在が不可欠であります。さらには、沼地に息づく昆虫、小動物類を狙う大鳥たちの優雅に飛ぶ姿を目にすることとなっております。日常と物語が交錯する里の姿をテーマにした制作はまだまだ続いていきそうです。
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妖かしの里
6月 15, 2025

妖かしの里
キャンバスにミクスドメディア F10号
近頃常々おもっていることの第2弾なのですが、美術に必要不可欠な音楽的要素に加えて、物語的要素がまた不可欠なものだと思うのです。日常の見かける光景は、今現在は田園生活的、田舎暮らし的な光景でありますが、そうした日常的なリアルと物語性、そして音楽性がないまぜになった作品世界を描こうと、してている訳なのです。
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月の四重奏

月の四重奏
木製ボードにミクスドメディア
上弦の月、下弦の月、或いは満月、新月、等々と様々表情を見せつける月とは、とても有能な表現者である。今回は、そんな表現者である月たちによる四重奏を描いてみたのであります。
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花水木
4月 19, 2025

キャンバスにアクリル他ミクスドメディア P10号
4/24(木)から八王子の「ギャラリー芙蓉」にて開催される「ハナミズキ展」に出展します。興味のある方はご来廊ください。
■花水木展
期間:4月24日(木)~4月28日(火)
時間:11時~17時(最終日は16時まで)
場所:ギャラリー芙蓉
〒192-0081 東京都八王子市横山町18-19
TEL : 042-623-9013
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宇宙少年A
4月 16, 2025

キャンバスにアクリル他ミクスドメディア サムホール(F1号)
宇宙から地球にやってきた初々しい少年を描いたものです。一般的に宇宙人とは多くの地球人にとって、おどろおどろしい異世界の住人として捉えられがちですが、実際にはそんなことは毛頭なく、とても親しみやすく可愛らしいのです。会ってみたらば分かります。これから地球人と宇宙少年たちとの交流が深まっていければ良いという希望を込めて描きました。
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妖かしの里 冬編
3月 27, 2025

キャンバスにアクリル他ミクスドメディア F20号
妖かしの里 冬編
「妖かし」シリーズとして連作している冬バージョンの新作です。里の地にはモグラのごときが闊歩しており、空を眺めれば其処には優雅に舞う鳥類が怜悧な存在感を見せ付けているのです。人間業とはかけ離れた、いわば霊気に導かれるようなパフォーマンスと云ってよい。
ある種の獣たちは、まるで人間界と霊界との仲介をするように行動するのだ、ということをイメージして制作したものです。まるで霊界との貴重な架け橋として存在しているのではないのか? こんな我が想像が本当かどうかは分かりませんが、いつもこれからも、ずっと霊界と人間界との懸け橋であってほしいものであります。
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闇に翔ぶ蝶
闇に翔ぶ蝶
キャンバスにアクリル他ミクスドメディア F10号
日が暮れて闇夜が拡がる前後の時間帯に、一匹の麗しい蝶の飛翔する姿を発見しました。その素早く羽根を操る姿かたちは、前後不覚の舞いとでも呼ぶのが相応しいと、それ以来ずっと思い続けているのです。
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白い蝶の舞い
3月 13, 2025

白い蝶の舞い
キャンバスにアクリル他ミクスドメディア S3号
前後不覚の舞いを演じる蝶々たちに魅せられ、彼らの姿を連作している今日この頃です。特に白い羽根を羽ばたかせる白い蝶々は、人間の常識では解説不能の、神領域の舞いであると言ってよいのです。これからもう少し、蝶々たちの連作は続きそうです。
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豊穣の里 冬
1月 03, 2025

キャンバスにアクリル他ミクスドメディア P10号
豊穣の里 冬
我が棲まう地域は一般的に、里山と呼ばれることが多いのだが、こういう地域には山の神、里の神、山男、山女、等々の人口に膾炙される物語が存在するのです。そうしてそれらの物語は、季節とともに様相を変えて、様々なトーンを意匠を纏って人々の心根に息づいています。今回はそんな存在を「妖かしの里」シリーズの冬編として描いてみました。
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白い蝶
キャンバスにアクリル他ミクスドメディア F10号
白い蝶
2025年新春の描き初めとして描いたのは、「白い蝶」というタイトルの作品です。今回のケースは、最初にタイトルがあり、それに沿ったモチーフ、ビジョンをあと付けで設定したものでして、決してそれは誇るべきではないのですが、たまにはこんな方法、方便も良いのではないかと考えているところです。白い蝶の羽は気高く、高貴な植物の葉脈を連想させるものがあり、透明感が表し示す世界はまるで、幾重にも重なり合った世界の姿形を表しているようです。深奥なるこの世の姿の一面を追求することからこの作品が生まれたと云っても過言ではありません。
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歌姫
12月 08, 2024

キャンバスにミクストメディア F4号
歌姫
往年の歌姫といえば、中森明菜がまずは浮かぶ。近頃のコンサート会場にうん十年ぶりに歌唱復帰したというニュースも目にしており、本格復帰を望んでいるのは僕一人ではなかろう。何しろ昨今のガキンチョシンガーには成し得ない叙情性やアピール性の高さは、目を耳を見張るばかりであります。
僕の個人的な趣味嗜好を述べるならば、往年のとみたゆう子さんにもガキンチョシンガーには無い、叙情性があり、歌姫の名に相応しいと思うのであります。
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アイドル
12月 07, 2024

キャンバスにアクリル F4号
アイドル
80年代トップアイドル、中山美穂さんが急逝したニュースがありました。これはアイドル全盛期の美穂さんの相貌をオマージュしながら描いた作品です。合掌。
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豊妖の里
12月 05, 2024
キャンバスにアクリル他ミクスドメディア S20号
豊妖の里
秋も深まり冬の便りが様々見られる昨今の、我が周囲の里をテーマに描いた作品です。大地の豊穣さ、そして様々な物語が産出される妖かし、そうした風貌、アトモスフェアを表現したいと心がけています。このところ3年余りこのテーマでしたので、そろそろ決着をつけねばという想いも抱きつつ、近作の筆を置いたところです。
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豊穣の里
9月 13, 2024
キャンバスにアクリル他ミクスドメディア F100号
豊穣の里
鳥が大地を舞っている、あるいは蝶が巧みなダンスを踊っている、といった光景は珍しいものではないが、我が住まいのある里で出くわすのは、そんな姿が当たり前の光景であります。常に生きとし生ける者たちの姿形に接するたびに、里山に引っ越して大正解だったことを実感するこの頃なのです。
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豊妖の里の調べ
8月 15, 2024
キャンバスにアクリル他ミクスドメディア F10号
里山シリーズの新作です。心身をリフレッシュするために、あるいは制作的インスピレーションを鍛えるためにも、里山の散策は欠かせない日課となったのです。豊かな実を宿してといった豊穣なイメージは薄れつつあり、今では妖かし半分、豊穣半分、妖かしくもあり豊かでもあり、どっちにつくことも出来かねるといった様相であります。
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豊穣の里2024
6月 24, 2024

キャンバスにアクリル他ミクスドメディア F30号
豊穣の里2024
大鳥が大地を舞っている、あるいは蝶が巧みなダンスを踊っている、といった光景は珍しいものではないが、我が住まいのある里で出くわすのは、そんな姿が当たり前の光景であります。常に生きとし生ける者たちの姿形に接するたびに、里山に引っ越して大正解だったことを実感するこの頃なのです。

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妖かし豊かの里
6月 05, 2024

キャンバスにアクリル他ミクスドメディア S20号
妖かし豊かの里
僕自身の田舎暮らしが、いつの間にもう2年を過ぎており、今や新しい田舎体験のビジョンを模索追求しているところなのであります。そのような状況にある昨今、田舎の舞台には、たくさんの可憐な花々や小鳥、蝶々、昆虫、蛆虫、爬虫類、等々の小動物たちが棲息していることを、今更ながらに認識し、感じ入っていたところなのであります。妖かしの舞台である我が地域の田舎には、豊穣な生き物たちが棲息しており、いのちの饗宴が行われていることなのであります。今回はそんなイメージを強調する作品に仕上げてみました。
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妖獣の森
5月 01, 2024
キャンバスにアクリル他ミクスドメディア F30号
妖獣の森
「妖獣の森」シリーズの新作です。森は獣たちをはじめとして、様々なる生きものたち、永遠のいのちたちの棲み処であり、神話の生まれる場所でもあります。いのちといのちが連鎖して、いろいろな表情を見せてくれる。森のいのちたちはまさに、永遠のモチーフと云っても良いのです。
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妖かしの里
3月 09, 2024
キャンバスにアクリル他ミクスドメディア F100号
妖かしの里
この作品を制作した当時は、2023年の春。田舎生活を始めてから、いつの間にやら1年以上が過ぎていました。思えば、所謂「晴耕雨読」ならぬ「晴散策雨制作」の毎日です。即ち晴れた日には散策をし、雨の日には制作を行うという日常が、とても馴染んで生活出来ていることに感謝なのです。一般的によく云われる「晴耕雨読」とはいかない理由は、一つには農業を営む畑を持っていないことであり、また、若き頃よりも読書量が減ったという、そんな複合的な要因があるのです。読書量が減ったとは云え、最近は吉本ばななさんの「アムリタ」等を読んで感動したりしています。「アムリタ」に刺激されたのか、それかあらぬか思うところあり、「霊感」「反抗期」等をテーマに、極私的な小説の執筆も進めているところです。ともあれ基本的には、妖怪やら精霊やらが棲み付いているようなこの自然が取り柄のこの田舎でこそ、「晴散策雨制作」の毎日を送っていけるのでありますので、第二の人生としての毎日を満喫しているのであります。やっぱりこんな田舎生活はやめられない、止められないのです。
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涙の水芭蕉
1月 14, 2024

キャンバスにアクリル他ミクスドメディア S3号
涙を流す水芭蕉の姿を初めて見たのは、春に旅した尾瀬ヶ原だった。冷え冷えとして大地の広がる沼地に、勢いよく咲き誇る姿に目を止めながら、或る一群の花たちは涙を流していたように見えた。白い花びらに見えるのは実は葉の一部だということは後に知った。その後、水芭蕉を見るたびに、それは葉たちが共演して花弁のように踊る姿かと、感じるようになっていた。
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涙の水芭蕉

キャンバスにアクリル他ミクスドメディア S3号
実は水芭蕉の生息地は尾瀬のみならず、赤城山の中腹に位置する峯公園でも目にすることができます。毎年の春のお盆には峯公園墓地を訪れ、健気に羽根を広げる姿に、心をときめかせたりしているのです。そして此処に生息する水芭蕉たちも、涙を湛えている。何かにじっと耐えながら、自分の花を咲かせているように見えるのです。




















