暇つぶしの贅なる機器「iPad」狂想曲が勃発 [その1]

apple銀座店の前には、「iPad」予約のために長蛇の列が出来た。

前日10日、いつものように銀座を散策していると、一群の行列に遭遇した。こんな光景は銀座では珍しくもなんでもない。ブランドショップの激戦区でもあるこの土地は、様々な仕掛けを打って銀座観光人に行列を作らせる。未だに強烈な印象として残っているものに、新規参入宝飾店ブランドの「モーブッサン」が、0.1カラットのダイヤモンドを先着5000人に無料で配布するというイベントを敢行したことの一件である。職場のスタッフが朝の行列を目にして取材したところ、無料宝石サービスに目が眩んで並んだ群集による長蛇の列であることが発覚した。彼は仕事を放棄してその行列の末尾に並ぶという誘惑に囚われていたというのだが、やはりそんな邪心は捨て去って、職場へとたどり着いていたわけである。さすがは立派な心がけであった。

さて今回の「iPad」騒動とはこんな単純な出来事ではない。先端のITマシンを逸早く手に入れようとして、APPLE銀座店の前に長蛇の列に並んだのであるから、相当に志の高い人々であったと想像される。実はこの日は、国内で販売される「iPad」の予約注文が開始された日なのであり、決してその日に並んだからと云って真新しいニューマシンが手に入れられることでもなかったのである。だから行列者は余程の暇人であったか、あるいき余程この機種購入に拘ったかのどちらかであろう。

俄か勉強ではあるが、この数日は「iPad」に関する情報収集に余念が無いおいらである。いろいろジャーナリストやらマニヤやらのコメントを目にするところ、「iPad」とは究極の暇つぶしのためのマシンではないかという思いが強くなってきた。ライバル機器とされる「ネットブック」「ノートブック」「iPod」「iPhone」等々と比較しても、「iPad」がずば抜けているという要素が見当たらない。どれをとっても中途半端のようなのである。だが、遊びに長けた若者や中高年たちからは、暇つぶしに開いて時間つぶしするにはもってこいの機器だという評価が意外に高かった。

であるからして、後に続く[その2]の稿では、具体的にどこが暇つぶしに良いのかをレポートしていきたい。