どて焼き煮込みが乗った「どてめし」は酒の〆には丁度良い

名古屋地方の地域メニューの中で、八丁味噌を甘辛くして煮込んだ味噌煮込み料理がおいらは好きである。

おでんをその甘辛八丁味噌で煮込んだ料理を、さるパーティー料理で目にしたときには驚いたが、然しながら味は個性的でありつつ地域食文化の息吹を味わわせられるものとなっていて満足だった。

本日酒の〆として食したのが「どてめし」なのだが、丁度甘辛八丁味噌の濃厚な風味が胃袋のアルコールくささを消し去って、中々に〆の食事には向いているなと感心していたところであった。

どてめしに乗せられるのは「どて焼き(どて煮込み)」という、牛筋に様々なもつそしてこんにゃく等を合わせて煮込んだものである。

名古屋地域の串カツにはこのどて焼きに漬けて出されるメニューがあり、これを「どて串」と呼ぶのが習いでもある。地域グルメの愛好家には格好のターゲットとなっているようだ。

関東と関西の文化圏に挟まれ揉まれて生まれたメニューであるから、八方美人的性格がどことなく現れてしまっているのは致しかたの無いところだろう。

そんなことよりももっと大切な食文化の基本であるところの、食する人間にパワーを与えてくれる、日々の暴飲を癒してくれるといった要素を感じ取ることのできるこのメニューは特記して置きたいものなり。