「週刊朝日」の敗北は、もしかしたら週刊誌業界の敗北の予兆なのかも知れない

本日発行の「週刊朝日」誌上冒頭にて、「おわびします」と題された大仰どころかな一文が掲載されている。同誌の「ハシシタ 奴の本性」の記事に関する、橋下徹大阪市長および関係者に対して全面的なおわびを表明している一文である。

橋下徹が当該週刊誌発行の「朝日新聞出版」を差し置いてその親会社である「朝日新聞社」に攻撃の矛先を定めたことには彼流の理由があるのだ。色々と彼流の説明が報道媒体を駆け巡っているが、つまるところは、メジャーの朝日を篭絡すること、これか゛目的だと思われる。

ひとつの仮定の話としてもし橋下が「週刊朝日」に抗議のターゲットを向かわせていたらば、おわびはおろか、遺憾の表明もされることなく法廷へと持ち越されていたのであろう。「週刊文春」「週刊新潮」等々の出版社系週刊誌が辿る常識的なルートである。

だが橋下はこれを嫌って、週刊誌発行元の親会社をターゲットにしてしまった。その理由は橋下が会見で語っているように、100%子会社の親会社が朝日新聞であるということのようである。

親会社が子会社のあれこれに責任を持つべきという常識論を超えて、橋下は攻撃を強めている。

もはや「週刊朝日」はもとより親会社である「朝日新聞」紙上にては、橋下徹への公正的批判記事は求めることができぬのである。そして他の読売、毎日、等々の新聞媒体に対しても同様の思いを強く抱いてしまう。

この現象は、ただ単に「週刊朝日」がひよって謝罪してしまったということ以上の、未来への禍根を記してしまったということなのだ。朝日以外の週刊誌のこれからを注意深くウォッチしていこうとかんがえているところだ。