素朴な岩手の郷土食「ひっつみ」を食したのです

先日の岩手旅行の旅先で「ひっつみ」という料理を食したのでした。

人参、大根、蒟蒻、等の野菜類の出汁が充分に効いた汁の中に、小麦粉を練って平たくした、丁度すいとんの様な具が入っている。岩手県内の「南部」と呼ばれる地域の郷土食なのだ。

南部という地域はかつて南部藩が統治していた地域を示しており、そこには八戸等、青森県の一部が含まれている。かつて同じ南部藩を領していた青森県八戸地方には「せんべい汁」という汁物が存在するが、これとよく似ている。ちなみに八戸の「せんべい汁」はB級グルメとして全国に知られており、B級グルメの大会には何度か「銀賞」を受賞している。それくらいに知られたメニューである。「せんべい汁」の元になったのがこの「ひっつみ」だという説もある。

どの地方にもありそうな、取り立てて特徴のある名物ではないが、小麦粉などの穀類を上手に調理して味わうという、極めて基本的な、人々の素朴な意気込みが伝わってくる。

ビールにも日本酒にもよく似合う。晩酌の〆にはもってこいの逸品なのだ。

素朴な岩手の郷土食「ひっつみ」を食したのです」への3件のフィードバック

  1. 拙著新刊『雪姫 遠野おしらさま迷宮』に「ひっつみ」登場。けっこう重要な役割を果たしています。
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    岩手の素朴なお団子とか、お餅とか、ひっつみとか、おいしいですよね。

  2. 寮さんは遠野の物語も描いていたのですね。柳田邦夫の「遠野物語」にまつわるエピソードなどを寮さんのHPで拝見していましたが、いろいろそれらの要素が詰まった物語なのかと、密かに想像してしまいます。ひっつみが出てくるシーンも楽しみです。

  3. ぜひ読んでくださいね!
    「遠野物語」のエッセンスもいっぱいはいっています。
    そして「おしらさま」の謎も。

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