ヴィム・ヴェンダースによる「もし建築が話せたら…」

先日当ブログにて紹介した東京都現代美術館での企画展「建築、アートがつくりだす新しい環境」展では、とても興味深いブースがあった。

ヴィム・ヴェンダース「もし建築が話せたら…」という、3Dインスタレーションのブースである。

イメージとしての例えばアップル社の社屋が連想される建築物が、声を放って語りかけている。

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ある場所が気に入って
そこで長い時間を過ごしていると
声が聞こえてくることがあります。
場所には声があって
建築は話をするのです。
そう、あなたに話しかけています。
聞こえますか?
話し方は本で勉強しました。
私は勉強することが得意なのです。
勉強のための建物だから、何の不思議もないけれど。
私は本が好きです。
本を読む人たちが好きです。
さあ来て、読んで、学んで。
中に入って、そして歩き回ってほしい。
行ったり来たりしてほしい。
私はいつでもここにいます。
動くことができないから。
みなさんのように旅ができたらどんなに良いでしょう。
もちろん私も、他の場所のことは知っています。
でも、本を通じた知識しかないのです。
(以下略)
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ちょうど我が「みどり企画出版」では、建築写真集「瞬間の連続性」を刊行したところであり、建築が語りかけるかのごとくのシーンも、ページのかしこに見て取ることができるのである。

同写真集のお求めは、下記アドレスからどうぞ。

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■瞬間の連続性 the continuum of moments
ISBN978-4-905387-01-5
定価:本体1000円(+税)
発行:みどり企画出版
企画・編集:川澄・小林研二写真事務所
判径:250×250mm
頁数:60ページ
体裁:並製本