トピックス: 2010年12月

花&フェノミナンはこれからもやってくれると確信した、クリスマスのライブ (2010年12月26日)

天晴! やはり花ちゃんは凄かった。途轍もないエネルギーでライブ会場のメンバーを恍惚の渦に巻き込み魅了したのであった。昨日25日のクリスマスの夜に開催された「花&フェノミナン」ライブの夜に熱く燃えたライブは、今なおおいらの心に響いて消え去る気配もないくらいだ。 実はネット上には先日から、このライブが「花&フェノミナン」の最後のライブになるのではないかという情報がもたらされていたのだから、心安らかにはいられなかったのだ。 どうもありがとうございました! 花フェノは12月25日の ライブをもってしばらく 活動を休止いたします。 というようなインフォメーションが「花&フェノミナン」の公式サイトに踊っていたのであり、もしやしてこれから「花&フェノミナン」の最後のライブ、歌声が聞けなるなるのかと、おいらは非常な失望感に捕らわれていたのだった。けれどもおいらが会場に居た花ちゃんに確認したところ、 「少し、少しだけ休みますよ。そしてまたやりますよ」 ということでありました。また先々活動を再開することを打ち明けてくれたので、少々安心もしていたのでしたのです。 この日のライブ会場は国立の「地球屋」。まず最初に「KORAKORA」のライブから始まり「THE FOOLS」へとバトンタッチ。そしてとりの「花&フェノミナン」へとバトンが渡るのに2時間以上の時間が経過しており、会場は前2ライブでの興奮でごった返していた。そしていざ鳳「花&フェノミナン」の登場と相成ったのです。 ファンならば皆知っている「君の月の部屋」からライブがスタート。 ♪ 君の胸のぬくもりと 河の流れる音はおんなじだ 国境をかけひきで 飛び越えるより あいしてる その一言で 宇宙まで飛び越える 上も下もないところまで ♪ う~ん、響く! これ以上ないくらいに響き渡るリズムだ。そしてたしか、3曲目。「光の中へ」。これこそは至極名曲である。 ♪ いくつもの 出逢いの旅の空 すすけた顔で あなたと笑えば 道は転がっていく 例えばそこが 世界のどんづまりでも 目を開ければ そこには道があり ぼくらにはまだ行くところがある わずかなほんとうのことが この道には溢れてる 風に吹かれた 唄うたいが 自由をまた唄にする ♪ 次の道に踏み出すための一歩としての休養期間なのだろう。まだまだ彼らはやってくれると確信したのです。

村上春樹原作映画「ノルウェイの森」の限界 (2010年12月25日)

村上春樹さんの原作、ベトナム系フランス人トラン・アン・ユン監督による映画「ノルウェイの森」を、遅ればせながら鑑賞した。単行本、文庫本を併せ総計1000万部以上を売り上げたヒット作が原作ということもあり、書店では毎日、同映画のPRビデオが流れている。懐かしいビートルズのメロディーがあれだけ流されていると、見ない訳には行かなくなってくるもんだ。仕方ない、見てみるか…。初めから過度な期待は持たずに府中の映画館へと向かった。 http://www.norway-mori.com/top.html 本編が流れて数分後に驚かされた。なんと糸井重里さんが大学教授役で出演し、ギリシャ悲劇についての講演を行なっているではないか。村上&糸井コンビで共著を持っている二人の仲だからこんな配役もあるかと、妙に納得させられる。村上ワールドの案内役として、うってつけの人選である。 スタッフカメラマン、マーク・リー・ビンビンによるカメラワークも悪くない。長回しシーンにも独特の揺れがある。常にカメラの視線が揺れている。決してうるさくも不安定さも感じさせることなく動いている。成程、村上ワールドの表現者としてのことだけはあるなと思う。監督とカメラマンとの良いコンビネーションだ。 だが直子役の菊地凛子ちゃんはちといただけない。元々村上春樹の大ファンでありオーディションでも積極的にアピールしたというのだが、彼女にこの役は不向きだろう。国際女優であり美人でもある。だがやはり、小説の世界の「直子」像を傷つけてしまっていると感じさせずにはおかないのだ。とても純な直子が病気を発症し、謂わば壊れていく様を表現できる資質を感じない。彼女を起用した必然性を感じ取ることが出来ないのだ。とはいえ仮に、井上真央、戸田恵梨香、新垣結衣、等々の人気女優が演じたところで、直子を演じ表現できるという保証など無いだろう。無いものねだりというものである。 もう一人の主役、松山ケンイチは、特段の美男子というではなく丸っこい顔立ちやら雰囲気に、春樹さんの面影があり、好意的に受け止めることが出来た。喋り方もこれならば、村上ワールドに登場する主役として異議は無い。 ところで主役二人の会話は、原作のそれとはだいぶ異なっている。春樹さんは映画制作に先立って、監督やプロデューサーに対して、「僕の台詞は映画向けじゃないから直したほうがいい」と語ったとされている。監督、プロデューサーへのプレッシャーを低減させようとする心遣いだったのかもしれない。細かい処ではあるが、「あれっ、こんな台詞があったっけな?」という違和感を持ってしまった。納得できないところも何箇所かあるので、これから原作を読み直して検証したいと思っているところなのだ。