帰省中の前橋の居酒屋でサザエの壺焼を食したのだった。もとよりサザエはおいらの好物である。肝の美味さといつたらこの上ないくらいだ。そして、暑気ばてにも効果がありそうな位にググっと内臓を刺激する。その昔は伊豆だとか特殊な海浜地方に旅しなければ口にすることさえ出来かねていたという貴重な食材なり。だが近頃はといえば、ちょっとした料亭だか日本料理店だかに足を運べば簡単に口にすることができるという、だが、おいらはそんな料亭だか日本料理店だかに足を運ぶ軍資金が足りないのであった為、ここ数年来はずっと我慢をし続けていたのであろう。そしてふと、地元の居酒屋にてメニューを目にし、先ずは注文と相成ったのである。ところでいつもサザエを目にして思うのだが、サザエ貝や親類の巻貝と云うものの持つその形態の稀有な要素についてである。先ずは巻貝の形態が持つ渦巻き的に盛り上がっていく形に感動する。渦巻きと生物が鼓動し伸長する様との容態は著しく関連があるのだろうと感じさせる。そしてもう一つのサザエ的形態が有する要素が「星印」なのだ。手足を伸ばすようにその星の突端が伸びている。丸くてごつくてとても愛らしい。サザエ貝と云えばその肝の苦さと磯の香りが逸品的な食材であるが、それに足して、星印と巻き印の形態の妙に感動することを、繰り返しているのだ。
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前橋「東郷」の蕎麦に舌鼓
夏の一献をイカソーメンで味わったのだ

夏真っ盛り、イカソーメンで一献やっていたのだった。鮮度の高いイカの刺身は、白いながらに透き通った艶とも云うべき彩度を感じさせるのであり、そんな鮮度眩いイカの身を、細く切りそって素麺仕立てにしたものは、イカの刺身とはまた違った食感と共に味わいのバリエーションをもたらしてくれるものではある。さらに加えて述べるならば、鮮度の良い細く切りそろえられている生イカの身の光沢は、その透明度や光輝度に勝るものが無いくらいの稀有なる姿かたちを示していたということでもある。「イカソーメン」はけっして邪道的メニューにはあらずその昔のおいらの友人は、「イカソーメン」を見る度に口を開けば貶していたものだった。その彼曰く、「ただのイカの身を細くしただけのものだ」「イカの本来の姿を見せにくくしている」「イカの身をソーメンつゆで食することなど出来ない」…云々と。彼の気迫に気圧されて一時はおいらもそんな気分になってしまったが、やはり「イカソーメン」はそれなりの存在感と旨味とユニークさを有しているということを、先日は「イカソーメン」に箸をつけながら感じ取っていたという訳なのである。
お盆に地元の墓参り
前橋の蕎麦屋「玉川屋」にて「ソースカツ丼」を喰らう
上州前橋の蕎麦屋専門店の「玉川屋」にて「ソースカツ丼」を喰らったのだ。蕎麦屋でカツ丼を喰うことは最近はなかったが、上州前橋名物の「ソースカツ丼」をバリエーション的に味わいたいという嗜好性が元で注文していたのだった。
上州前橋が発祥とされるその「ソースカツ丼」は、豚のヒレ肉を食べやすいくらいにカットしてから揚げたという絶品のカツを揚げ物にして絶品のソースにくぐらせてご飯の上に乗せて完成したという、とてつもなくシンプルでありかつ絶品的カツ丼にありつけていたのではある。甘辛く濃い目のソースタレがシンプルなヒレカツに染みている。トントンの街の上州豚はそれほど自己主張をすることなくして地元民に受け入れられているのであることを納得した。「ソースカツ丼」もB級グルメの一級品として評価すべきであり、此れもまた故郷の味の一つとして認定したくなった逸品なのではある。
■玉川屋
群馬県前橋市本町2-1-19
焼き鳥「小太郎」の「玉ねぎベーコン巻き」で一献
「おがわ屋」の八王子ラーメンをすする

八王子市内には「八王子ラーメン」という地元メニューを標榜するラーメン店が数多く存在する。醤油味のスープ、スープ表面に脂が浮いていること、そして刻み玉ねぎが乗っていること、といった八王子ラーメンの3項目の必須条件をクリアーしている八王子ラーメンの店が大和田町の「おがわ屋」なのである。おいらはランチ時間に久しぶりに訪れていたのだが、八王子ラーメンの3条件こと、醤油味のスープ、スープ表面に脂が浮いていること、そして刻み玉ねぎが乗っていること、といった要素は控えめでありながら、それでも正統的八王子ラーメンの美味しさを伝えていたのだった。地味ながら味わいのあるラーメン店である。そしてまたランチに八王子ラーメンはよく似合うということを、発見したのもまた新鮮なる発見なのであった。
■おがわ屋
東京都八王子市大和田町5-27-11
蝉もこの猛暑には命掛けである


油蝉が煩く鳴き喚く歩道を通り過ぎようとしていたとき、歩道の隅には油蝉が仰向けになって蠢いている姿を発見した。通常は大木の幹にしがみつきながら、キンキンギャーギャーガーガーと云った声を鳴らしていくのが一般的だが、中には大木にしがみつく体力も失せたのか、歩道上に仰向けに転がってギャーギャー騒いでいる蝉に遭遇したという訳なのだった。
そんな姿に遭遇したおいらは、仰向けの蝉の背中を押して、くるっと反転させて、正常の地面に居る姿にかえしたのだが、中々蝉が飛び立とうとはしないのだった。ぜいぜいと飛び立とうという意欲は見て取れていたのでずっと見守っていたのだが、ついに飛び立つことが叶わなかったようなのだ。蝉もまたおいらたち人間以上に、この猛暑に対しては命掛けの様相なのである。
前橋のカレー専門店「ポンチ」の「オムレツカレー」
故郷の上州前橋で、カレー専門店として有名なのが「ポンチ」である。上州国の前橋にはカレーの名店と云われる店舗が数店舗存在しており、そんな中でも旧市街地に在る専門店の「ポンチ」のカレーは、特別なる懐かしい思いに囚われてしまうのだ。
このたびはランチメニューの「オムレツカレー」を食したのだが、流石に懐かしい。今は亡きかつての前橋出身の詩人こと萩原朔太郎先生もかつてはこのポンチのカレーを好んで食していたということなのであり、おいらもそんな郷土の巨匠のエピソードに接して余計に味わい深く感じていたのだった。本日は何が其の要素だろうかと考えていたのだが、上州人はもちろんのこと日本人にとっての懐かしい日本のカレーが受け継がれていると云うことなのであろう。今回はおおよそ1年ぶりの来店だったが、やはり懐かしい思いは格別であった。
■レストラン ポンチ
群馬県前橋市千代田町3-3-18
027-231-2333
高崎パスタのグランプリメニュー
「蒟蒻と葱の炒め」は上州ならではの逸品メニューなのだ

前橋の居酒屋で「蒟蒻と葱の炒め」を食した。上州こと群馬県の下仁田は全国一の蒟蒻の産地であり、低カロリー食材としての蒟蒻を使った料理メニューが豊富である。さらに下仁田葱も群馬県の特産品である。ポピュラーなのは蒟蒻の刺身や味噌おでんといったところだが、本場上州ならではのメニューとして紹介しておきたいのが「蒟蒻との葱の炒め」なのだ。食材として用いられているのは、刺身用の気取った蒟蒻ではなくて、その見た目も田舎風の、いわゆる灰汁色しており、これこそ蒟蒻色なのである。これを、上州特産の葱と味噌とで炒めて提供されるのが「蒟蒻の葱味噌炒め」なのである。けっして見た目は良くない。だがひとくち口にすると瞬く間に、あの灰汁のきいた蒟蒻本来の味わいにうっとりとした気分になること請け合い。まさしく蒟蒻は上州前橋で味わうに限るのである。
ミンミン蝉が煩い夏の真っ盛り
今年の夏は両親の介護や見舞いやらで、実家のある上州前橋へと赴くことが多くなり、嘗てのおいらの夏期の青春時に在った環境や光景との接触にあたり、東京の生活では忘れかけていた夏体験を、青春時の想い出と共に再体験できたのである。例えば都市郊外の樹林密集地においては、ミンミン蝉の煩い鳴き声に囲まれており、父が入院する病院へと足を運ぶ度にそんな煩いミンミン蝉群の鳴き叫び声と相対峙することとなっているのだ。その昔は所謂夏季の風情として受け止めていたミンミン蝉だが、今時に相対峙してみれば、其の煩わしさは耳を劈くようにしており、都会生活の長いおいらにとっては一つの試練であると云えるかも知れない。ともあれ、これから後半生の人生を歩むに当っては、都会生活を脱却して、ミンミン蝉の煩わしさとも共生していくべきなのであることを自覚させている昨今なのである。
イタリアレストランでマルゲリータのランチ
丑の日の「登利平」の「うなぎ弁当」
蒟蒻芋焼酎で一献
個展4日目は生ビールでお疲れの乾杯
「小林活夫展 相貌」がスタートして4日目となる本日は、ほぼ会場に居座って、会場を訪れる人達の相手に勤しんでいた。夕刻からは旧友のアキン氏が来場し、写真もバチバチと撮影してフェイスブックにアップしてくれたので、其のページをリンクしておきます。自分以外の人が撮影してもらった作品の写真が、此れほどリアルに目にすることが出来たことを感謝。
https://www.facebook.com/akin.tanaka?fref=nf
その後、アキン氏と美術教師の某女史と共に会場近くの居酒屋へと足を運び、暑い一日の終りの生ビールでの乾杯となっていたのだった。
汗だくで「天賑」の「ラージャンメン」を喰らう
故郷前橋に帰省中の本日の昼食は、人気中華料理店「天賑」へとおもむき、当店の人気ナンバー1メニューの「ラージャーメン」を喰らっていた。以前に当店へ来た時は普通のラーメンを食していたところ、周りの客の過半数が此のメニューを食べていたので、その時以来無性に食べたくなっていたのだったが、朱々した其のスープの激辛風の見てくれからも猛暑の日には不向きだと思いつつもそんな邪念を振り切って注文していた。そして口にした味はと云えば、クーラーが効いている店内において否応なく溢れ流れ出る汗を拭きながら、猛暑満天下のラーメンを啜っていた。実際のスープは見た目ほどの辛さは無くて、多種類の野菜の出汁が染みこんで適度のピリ辛が心地良い。夏を代表する食材の茄子が大振りにカットされてスープ中に泳いでいたのが、夏らしさを表現している。そして麺もまた夏らしくガツンと太くて噛み応えあり。人気店の人気メニューであることも納得できるのだった。
■天賑(テンシン)
群馬県前橋市千代田町4-11-19
027-233-4795
真夏に役立たない、うん十年前のエアコン
「上州カミナリ揚げ」は上州ならではのメニュー
上州ならではの鶏肉の唐揚げに「上州カミナリ揚げ」というメニューがあり、久しぶりに故郷の味を口にしていたのだった。鶏肉の唐揚げ料理は数多くの地域にて地元料理となっているが、上州にも「上州カミナリ揚げ」という逸品的メニューが存在する。鶏肉を揚げたものだが、その衣にはスパイシーな香辛料がじっくりと味付けされている。さらには鶏肉自体にも味が染みこみすぎているほど味が染みていて、口の中では満腹感でいっぱいになっていた。そしてこれはまるで、信州自慢の「山賊焼き」に匹敵するかそれ以上かの思いが立ち込めていたのだ。揚げ物料理なのに鶏肉の活き活きさとスパイスの刺激がマッチしていて、地元が誇るべき鶏料理の一つであるという評価にいたったのである。信州の山賊焼きとは、鶏肉のから揚げだが、東京でよく食べるものとは味付けや調理法が異なっている。主にモモ肉を使用し、醤油とにんにくの付けダレに数時間置きじっくりと漬け込む。それに片栗粉をまぶして揚げる。素朴な料理だが、パンチのある味わいが信州らしい。これを蕎麦に乗せたのが「山賊蕎麦」であり、信州では天ぷら蕎麦にも負けないくらいにポピュラーなメニューとなっているのである。それ以上のインパクトをもたらした「上州カミナリ揚げ」こそ天晴れである。
「登利平」の「上州御用鳥めし松重」で一献
入院中の両親に「鰻丼」を差し入れしたところ、普段より食欲が増したと見える。やはり我々日本人にとって、パワー食材としての鰻の神通力は侮りがたいものがある。そんな今日のおいらは病院からの帰り道に立ち寄った「登利平」の「鳥めし松重」を突付きながら一献。あっさりムネ肉とコクあるモモ肉の二種の鶏肉が味わえる逸品である。上州前橋では「とんとんのまち」などと豚肉料理がピーアールされているが、実は豚肉料理以上に美味いと評判なのが鳥めしだ。もう少し詳しく説明すると、「登利平」の「上州御用鳥めし」という。郷土色豊かな弁当として市内のさまざまな場所にて購入できるほか、市内5箇所の直営お食事処にて出来立ての鳥めしを味わうことができる。旨み豊かな鳥の腿肉を薄くスライスしたものを丁寧に焼き込んでいる。そして下に敷かれたご飯にはあまからい特製のたれがしみこんでいて、鶏肉とこの甘辛い特製たれとの相性はまさに絶妙のひとことであり、しごく食欲をそそるのだ。昔から親しんできた郷土の味なのである。
■登利平 前橋けやきウォーク店
前橋市文京町2-1-1














