たまには洋風料理。初夏野菜の「ポトフ」も悪くない

先日「ゴーヤチャンプル」で使用した豚肉製品「SPAM」の余りをどうしようかと思案していた。そして今日、ふと「ポトフ」にしてみようと思い立ち、実行に移したのでした。

八百屋に並んである初夏の野菜の中から、キャベツ、新玉葱、セロリ、パプリカ、そして季節は外れるが人参、じゃが芋らに加え、大蒜、生姜、そしてSPAMを加え、全ての食材を大振りにカットして煮込むこと30分あまり。

今回は圧力鍋も使用することなく、しまってあった洋風料理向けのホーロー鍋を持ち出しての料理である。

じんわりと染み出た野菜の甘味が出色の味覚である。少量の洋風出汁ブイヨン以外は、塩等の余計な味付けは禁物。30分して皿に盛ったところへ少量の黒胡椒を振りかけて味わっていた。

大振りの野菜類には出汁が染み込み、中まで柔らかく煮込まれていた。中でもセロリのしんなりした味わいはまた、これまでにない特異な風味が嗅覚を刺激していた。パプリカは煮込むことにより独特の甘味を増していた。そしておいらの大好物の玉葱もまた、出汁が染み込みほっこり食感もナイスな味わいなのであった。

これだけ野菜の旨みと出汁が染み出たスープを味わったのはとても久しぶりだった。今度はこのスープを使ってカレー料理に応用していこうと考えていたところなのだ。

北海道苫小牧産の「北寄貝」は絶品だった

学術名では「姥貝(ウバガイ)」と呼ぶ「北寄貝(ホッキガイ)」は、冬の貝だとばかり考えていたが、殊に、北海道苫小牧産としてメニューに載っていた北寄貝の刺身は、今のこの季節においても味は上々だ。

通常、寿司ねたとして見かける北寄貝は、赤と白とのツートン色が特徴的だが、刺身の北寄貝はと云えば、もっとデリケートな色合いに感動させられる。奥深い褐色系の色合いが何とも見事だ。

外見は8cm程はある大降りの二枚貝を剥いて、余計な包丁も入れずに出された刺身は、とても柔らかく、絶品の味わいであった。

通風持ちのおいらにとって、二枚貝は禁じられた食材の一つなのだが、どうしても我慢できなくなり、時々は口にしてしまう。何とも貴重な逸品食材なのである。

広瀬隆著「福島原発メルトダウン」の深く意味するところ

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本書の序章の記述によれば、4月27日頃には脱稿されていたという。この時系列的事実は大変に貴重な意味合いを有している。数日前においらは手にして読んだばかりの緊急出版による1冊である。

書名は「福島原発メルトダウン」である。シンプルかつ甚大なメッセージ性を孕んだ書名である。

本書を読み進めれば誰もが納得することだが、3.11の大震災及び大それに伴う津波によってもたらされた今回の「福島原発メルトダウン」現象の仔細の解説等々については、本書以上に有益な書物は無いと断言してよいくらいだ。

そもそも水素爆発が発生した時点にて「メルトダウン(炉心溶融)」が無いはずが無かったのだが、当時の東電関係者及び政府関係者はその事実をひた隠しにしようとしていたという状況が存在している。

最近になって東電関係者が「メルトダウン」を認めたという成り行きは、とても馬鹿馬鹿しくあり、お粗末の極みであった。いずれ認めなくてはいけなくなるものを、ここまでに引きずっていき、仕舞いには、「メルトダウンでした」というような愚弄なる説明では、最早収拾できないくらいの状況にあるということを誰もが認識すべきだ。

最終章にて著者は語っている。

「私は、どうすればいいか、分からないのです。こういう事態になったときに対処できないことが分かっているから原発に反対してきたのです。対策があるなら、反対はしません。勿論、「原発は絶対安全」と言い張ってきた政府も東京電力も、放射能漏れを起こした原子炉をどうするのか、そのような対策なんて想定すらしていません。」

おいらを含めて最小限の知見ある人間ならば、そんな状況の異常さについては認識し得ていたことだろう。そんな事実を、明らかにできなかったことを関係者の全てが反省すべきである。

「反省」という漢字の2文字はフッと息を掛ければ飛ばされるくらいの軽い現象になったかにも見えるが、事実としてはそうであってはならない。そのことを強く主張して、良き「反省」の実態を明らかにしていきたいとおいらもまた考えているところなのだ。

瑞々しい皐月の花弁がいよいよ見頃

旧暦五月に咲く花として親しまれる「皐月」の花弁がいよいよ開花し、可憐な装いを示している。

ツツジ科の一種である皐月は、独特のピンク色が特徴的であり、比較すればどのツツジ科の花より以上に野性味を感じさせる。

鮮緑色した葉や茎もまた瑞々しく張りがあり、今日のような小雨の風景とよく調和している。

つつじが満開だった時期を過ぎて一呼吸置いて、「皐月」の姿を見かけるようになった。週末の植木市でも皐月の鉢植えが主人公のように振舞っていた。

下手に出ると付け上がるあほ莫迦経営者どもの生態

いつの世の中にも云えることだが、あほ莫迦の類は消えうせることが無い。

殊に昨今の経済不況、大震災不況、等々の状況にあって、中小零細企業経営者達のあほ莫迦さ加減は目を覆いたくなるくらいだ。

こんなあほ莫迦中小零細企業経営者の多くは、自らの経営手腕が間違っていることを棚に上げつつ、その責任の所在を、従業員やスタッフのほうに転嫁しようとする。そしてその手段方法といえば、リストラ、整理解雇、等々の、自らの責任を棚に上げた無責任極まりないものであった。

もはや過去の事例になるが、おいらもこんなあほ莫迦経営者の関係する会社に関わったことがある。

あほ莫迦もいい加減にしろ! と、何度叫びたかったことかは記憶に消えることが無いくらいだ。最小限の法的措置は行なったのだが、一向に反省する気配も無く、自己満足の行動を取り続けている。

しかも、会社だけは存続させようとするのだから救いようが無いのだ。社員、スタッフ、関係者への支払いは後回しどころか、「遅配」という名の「未払い」という不法行為を行なっているのである。

そしておいらの知るところによれば未だに改善の気配も無いという。それでも会社存続が必要なのか? 断じて否である。これぞあほ莫迦人種の極みと云って良い。

人間、こんな類になったら救いようが無い。死後は一体何処に行く積もりなのか? 今日、改めてそう思った次第なり候。

「SPAM」で沖縄本場仕込みのゴーヤチャンプルをつくった

八百屋の店先ではゴーヤが目に付くようになった。これからもっともっと出荷量が増えていく夏の食材だ。

ゴーヤを使った料理は「ゴーヤチャンプル」が最もポピュラーだが、それでもメニューは限られている。外食メニューで「ゴーヤチャンプル」を注文しても、本来のゴーヤチャンプルとは違った料理が出されてがっかりすることも少なくない。その多くは豚肉が使われていることから来る違和感だ。

沖縄料理としての「ゴーヤチャンプル」では、豚肉ではなく「ランチョンミート」という豚肉の加工食材が用いられる。大雑把に云えば、豚肉を主材料にしたコンビーフ様なものと云えるだろう。ゴーヤをはじめとする沖縄のチャンプル料理にはこの食材が欠かせない。それなのに、猫も杓子も、ゴーヤを炒めた料理がゴーヤチャンプルとしてメニューに上がっているのを見るのは心苦しいものがある。料理人の勝手なメニューが、沖縄の伝統料理を駄目にしているのだ。

本日おいらが調理した「ゴーヤチャンプル」は、「SPAM」のランチョンミートを使用してつくった、沖縄本場仕込みのものだ。

「SPAM」というのは米国産の加工食品であり、塩分も高く、あまり身体に良い食材だとは云えないのだが、今回のものは「塩分20%カット」をうたっており、しつこい味ではなかった。

使用した食材は、ゴーヤ、ランチョンミートの他に、舞茸、もやし、木綿豆腐、卵、といったシンプルなものばかり。チャンプルーして調和させることを前提にして、使う食材は全て大ぶりにカットして使用。調味料は、醤油、味醂、砂糖、和食出汁の基にオイスターソースを少々。これによって沖縄料理独特のコクが出るのだ。

こうして自家製の「ゴーヤチャンプル」が完成した。家では初めて、沖縄風のチャンプルー料理が出来たのではないかと、密かに自画自賛したいくらいなのだ。

4~5年振りの健康診断(検診)を体験

本日は「検診デー」だとうことでもあり、久々に数年ぶりの健康診断を体験したのでありました。

朝に現場に着くと、検診車のある場所で先ずはX線撮影。身体に放射線を当てるという検診であり、毎度躊躇しながらも結局は拒むことなく受けている。だが今回は、ドス白いあの液体を飲む「胃検診」は遠慮した。空中浮揚にも似たあの360度回転を忌避したかったというのが正直なところであつた。

次に向かったのが、その他の諸々を検診する会場。身長、体重測定の後には、視力、聴力検査が控えていた。聴力はまずまずだが、視力が裸眼でどちらかの目が「0.7」を下まわっていた。これでは次の運転免許更新に受からなくなるではないかと、ちと焦ってみたのだが、最早老化の足音が忍び寄せているのかと思って受け入れるしかなさそうなのだ。

その後、どうでも良いはずの身長、体重測定の後では、腹囲測定が待ち構えていた。声が響いてきた。

「はい、けっこうです。腹囲は◎センチです!」

お陰で「腹囲」の値はおいらの想像を超えて遥かに超えていてすこぶる大きくて、メタボ体型をはからずしも露呈してしまうことになってしまった。まるで健康飲料のCMで示されていたようななさけない光景なのだった。

次には「血圧測定」が待ち構えていた。高いときで「160超」を計測したので、これぞ鬼門だったのである。大学生の頃に「160超」を示したときは、ドクターから「80台の値です」と云われて落ち込んだこともあった。そして今回も、最初の計測で「160超」となり、頗る深い深呼吸をして2回目に計測した値は「140超」だった。当然のように女性の検査官は「2回目を書いておきますね」と云ったが、それは思いやりというものだったのだろうか?

そしてドクターによる問診が始まった。おいらは既往症の「通風」や「扁桃腺炎」を申告したが、ドクターの表情はどこ吹く風のように宙を舞いつつ、運動をしてください、酒や煙草はつつしんで、睡眠は充分にとるようにしてください、等々の言葉を発したばかりだった。あまりこういうのは実効性は無いのだろうな。

まあこのようにして何だかんだの後に、検診は終了していたのだった。

あ、てそしもう一つ記しておきたいのは、本日はとてもすこぶる体調が万全だったということ。普段のダルさや胃腸の不快感、気分の落ち込み等も無かった。これはひとえに前日にアルコールを断っていたことによることが明らかである。アルコールを断つことが平常の健康維持に大変に寄与することを知ったのだ。

本年初の冷やしは「冷やし黒酢麺」だった

先日訪れた中華料理店で「冷やし中華麺」を注文しようとしたら、季節メニューなのでありませんと云われた。だったらメニューに載せるなよと怒鳴りたくなったが、馬鹿らしいので流すことにした。だがそれ以来、冷やし中華が食べたくてしょうがなかったのだ。

暑かったり涼しかったりが交互に訪れる季節だから、メニューの一つ一つが店の売り上げを左右するということなのだろう。午前中に雨が降り注いだ今日は涼しい1日だったが、それでも冷やしが食べたくなっていたのは、先日の痛い経験が災いしていたのだろう。

ともかくも、本日は本年度初の冷やし中華麺にありついたのだ。

中華麺の専門店「揚州商人」での冷やしメニューは「冷やし黒酢麺」「冷やしタンタン麺」「涼風鶏そば」の3種類。迷わずに「冷やし黒酢麺」を注文した。

出されたのはたっぷり黒酢のスープの中に、ネギ、ザーサイ、鶏肉、キュウリのトッピング類が高く積み上げられたものだ。赤いクコの実が上に乗り、彩りを添えている。麺は下に隠れてトッピングを崩さなければ顔を出すことがない。

まずは黒々としたスープを一口。ほんのりと甘くまろやかでコクがある。生酢のツーンとした刺激の代わりにあるのは、黒酢独特の香りだろう。日本産の調味料には見かけないものであり、これが苦手だという客も多いと聞く。

具を崩して顔を出した麺は細麺であり、黒酢がよく麺に馴染んで喉越しもまろやかである。日本の伝統的な冷やし中華麺には見られない、新しい味わいであり、また何度か食べたくなる味であった。

ひじき+辛味大根の煮物で夏バテ&放射能対策

昨日使用した「辛味大根」を活用する料理はないものかと思案していたのだが、いつもの定番料理「ひじきの煮物」に辛味大根を加えることによって、立派な夏季向けのメニューとなっていたのだ。

辛味大根は摩り下ろすのではなく細かく刻んでおいて、水で戻したひじき、干し椎茸、人参、等々の食材と合わせ、そして煮込んでいく。

白い大根の色味は見た目の姿を主張しないが、却ってその分、大きな味覚のポイントを主張しているのではないかと感じる。それくらいにひとつの味覚のアクセントを刻んでいるのだ。

弱った胃袋に対して程よい刺激感が何よりも嬉しい。夏バテはおいらの場合、ほとんどが胃袋の衰弱によって生じるものだが、辛味大根効果が胃袋の衰弱を予防してくれるのではないかと期待させてくれる。下手な胃薬を飲むよりも効果的であろうことは、経験から実感されるものである。

しかも「ひじき」「干し椎茸」等の乾燥食材には所謂「デトックス効果」が注目を集めている。即ち「毒出し」効果の存在が指摘されているのだ。

今まさに我が国民の多くが放射能汚染に晒されている中にあって、このデトックス(毒出し)の効用は特筆されるべきである。

放射能に対抗する手段は、決して海外の食材に求めるのではなく、我が国の伝統食材としての「ひじき」「干し椎茸」等々が持つデトックス効果に求めるべきである。

放射能を含んだ食物からくる「内部被曝」から身を守る効果が、これらの伝統食材の中に備わっているということを、多くの人々が知るべきなのだ。

辛味大根+生蕎麦で二日酔い対策なのだ

今年も暑い夏がやってきて、些か憂鬱なおいらである。

何故に憂鬱かといえば、べつに今年は原発事故から来る省エネ影響でエアコンが使えない、或いは使い難いといったことではなく、身体の代謝が悪くなって、二日酔いの対策がしづらくなるということなのだ。

こんな時期に準備しておく食材が「辛味大根」なのである。

寝起きの悪い朝、或いは胃弱や頭痛を抱えた朝の食事に、この「辛味大根」が非常に重宝する。

特に生蕎麦との相性は抜群である。

今年の予行演習を兼ねて、辛味大根の生蕎麦を食してみた。ちなみに本日の辛味大根は群馬産だ。風評被害にもめげずにスーパーの食品売り場に出荷され、ある種のテレパシーを介しておいらの手元に届いていたということなのかもしれない。

武蔵野うどん店「たまや」の「ファンモンうどん」は美味だった

八王子の「武蔵野うどん」の専門店「たまや」のうどんが人気だ。

多摩地区なのに何故に武蔵野うどんか? といった疑問はさておいて、ここの麺は極めて特徴的だ。同店のうどん麺はとてもゴン太くコシが強くて、噛み応えがまた充分なのである。一般的な「武蔵野うどん」の範疇からは食み出すようなこのゴン太の麺を噛みたくなり、おいらも何度か訪れていた。

久しぶりに訪ねてみると、若いギャルやOLたちで一杯だった。彼女達の多くは「ファンモンうどん」というメニューが目当てなのだ。

八王子の観光大使となった「ファンキーモンキーベイビーズ(略して「ファンモン」)」が足繁く通った同店で、ファンモンがプロデュースしてメニュー開発したという個性的メニューが「ファンモンうどん」なのだ。

「ファンモンうどん」は別名「濃厚ピリ辛ごま汁つけ麺」とも云う。文字通りに濃厚な、ピリ辛の、ゴマ汁の漬け汁に、ゴン太うどんを浸して食べる。健康に良いとされる自家製のゴマ汁にピリ辛の刺激が心地良い。

ゴン太の麺に負けない漬け汁に浸したうどん麺は、じっくりと時間を掛けて味わうに似合っており、その昔に群馬県利根郡の田舎の母の実家で食べていた田舎うどんの記憶が甦って来たのだ。

よく噛んで、よく味わって、〆にはうどんを茹でた茹で汁で割って濃厚ピリ辛ごま汁を味わっていたのだった。

http://www.tamaya-udon.com/

■東京都八王子中町11-4

三鷹育ちの「キウイワイン」が本日発売。フルーティーで飲みやすい逸品

東京都のJA東京むさしでは、本日「キウイフルーツワイン」を発売した。早速おいらも三鷹駅で途中下車をし、出荷されたてのものを購入したのだ。

三鷹駅を降りて南口を数分歩いた酒屋の入口に「キウイワイン」のコーナーが設けられていた。白ワインとロゼワインの2種類が陳列されているが、手にしてみたら中身がない。空っぽのガラス瓶の陳列棚と化していたのだ。

店内に入り、品物の在り処を尋ねた。

「冷やしたものもありますけど…」という店主の案内もあったが、ここは素直に常温のものを購入することにした。帰宅するのにまだ数キロを要してしまい、結局はぬるくなるのならば、常温と冷温とをじっくり飲み比べてみたいとも考えたからだ。

そして「白」と「ロゼ」だが、ここは迷わず、キウイ100%の「白」を選択した。「ロゼ」には色付けのためにブドウが若干含まれているのだという。キウイの風味を100%味わうには「白」しかない。

まずは常温で一口。う~む、ブドウのワインよりもツンと来る香りと共に、フルーティーな喉越しが刺激的だ。アルコール度数は11%と、通常のワインよりは低めだが、刺激感は申し分の無いものであった。ブドウの白よりは少し甘めでもある。

少々調べてみたところ、「白」「ロゼ」の他に「にごり」という種類も発売されているという。今年はそんなキウイワインの醸造25周年でもある。

まだまだ飲み足らない気分で1瓶を空けたのだったが、東京地元発の特産品として、益々期待が高まる名産品だということは確かなようである。

狭い虫小屋でもがく「コーカサスオオカブト」に、人間と自然との不調和を感じ取らざるを得ないのだ

蒸し暑い夏の到来はすぐそこに迫っているが、本格的夏の季節到来を待たずに夏の昆虫に出くわした。

スーパー「ダイエー」の生活用品売場のコーナーには昆虫飼育用の籠が並べられ、中にはカブト虫、クワガタ、コガネムシ、等々の夏の昆虫が棲息しているのを目にしたのだ。

昆虫がスーパーや百貨店で販売される光景を見る度に、なんとも釈然としない思いに囚われてしまう。少年の頃の夏の遊びの時間の大半を昆虫採集に費やしていたことを回顧する度に、おいらはお金で昆虫を買うという習慣が、不道徳の典型に感じてならないのだ。

自然を学習するなかでその豊かさを知り、その厳しさ、情け容赦の無さを学んでいくという体験を、昆虫売買という商行為が破壊してしまうのではないかという思いが圧し掛かって離れないのだ。

本日遭遇した夏の昆虫たちの中で、最も活きが良かったのは「コーカサスオオカブト」であった。体長10cmはあろうかという巨きな体躯を、狭い籠の中で持て余しているようなその様は、堂々としているが故に尚更に、人間の商活動のみみっちさを際立たせている様でもあった。

携帯のカメラを向けるとオオカブト虫はおいらを威嚇するような素振りを見せた。なおもシャッターを切っていたら、今度は背中からニョロッと大きな羽根を出し、飛んでみせるぞといった仕草を示していたのだった。こんな狭苦しいところに閉じ込めやがった人間どもの代表として、おいらの姿が映ってていたのだろうと思うと、うら寂しい気分に落ち込んでしまったのである。

羽根を持った生き物であれば、当然のこととして羽ばたく権利を有している。それを人間のエゴにて蹂躙してしまっている現実を受け止めなくてはならない。

人間が世界を制覇しようと目論んだ結果、原子力の脅威に晒され続けていかなくてはならなくなったという現実を反省していかなくてはならないことと同様に、昆虫たちへの人間のエゴを反省すべきなのである。

モンゴイカのゲソワサは、タコ刺しよりも味が良い

地元の行きつけの居酒屋で「イカのゲソ刺し」を注文したところ、巨大な足とおぼしき刺身が運ばれてきたので驚いた。まるで、タコの足の様な相貌を呈していたのだから。

けれども少し思案してみれば、こんな巨大なゲソ刺しにありつけた今日の宵を記念し感謝しなくてはならないとも思うのであった。

それにしても巨大な足ではあったので、おいらは店員の人に訊ねたところ、巨大なモンゴーイカの足はタコにも引けをとらないということであったのだ。

大ぶりのタコのような、実は繊細なイカの「ゲソ刺しを」、味わっていたということになる。それについてはコメントも何もない。只ただ、モンゴイカの特殊な食感などについての思いを巡らすばかりなのである。

どて焼き煮込みが乗った「どてめし」は酒の〆には丁度良い

名古屋地方の地域メニューの中で、八丁味噌を甘辛くして煮込んだ味噌煮込み料理がおいらは好きである。

おでんをその甘辛八丁味噌で煮込んだ料理を、さるパーティー料理で目にしたときには驚いたが、然しながら味は個性的でありつつ地域食文化の息吹を味わわせられるものとなっていて満足だった。

本日酒の〆として食したのが「どてめし」なのだが、丁度甘辛八丁味噌の濃厚な風味が胃袋のアルコールくささを消し去って、中々に〆の食事には向いているなと感心していたところであった。

どてめしに乗せられるのは「どて焼き(どて煮込み)」という、牛筋に様々なもつそしてこんにゃく等を合わせて煮込んだものである。

名古屋地域の串カツにはこのどて焼きに漬けて出されるメニューがあり、これを「どて串」と呼ぶのが習いでもある。地域グルメの愛好家には格好のターゲットとなっているようだ。

関東と関西の文化圏に挟まれ揉まれて生まれたメニューであるから、八方美人的性格がどことなく現れてしまっているのは致しかたの無いところだろう。

そんなことよりももっと大切な食文化の基本であるところの、食する人間にパワーを与えてくれる、日々の暴飲を癒してくれるといった要素を感じ取ることのできるこのメニューは特記して置きたいものなり。

子供の頃に好物だった「ハムカツ」を肴に一献の夜

地元の居酒屋で「ハムカツ」というメニューが目に付いた。1枚200円と安価でもある。

ところが考えてみれば、ハムカツを酒の肴にしたという記憶はほとんど無いのだ。豚カツ、串カツ、メンチカツは極めてポピュラーであり、レバカツなる地域メニューも注目されているのに、はてな、このギャップは一体何なのだ?

思えばハムカツという食べ物は、おいらが少年の頃にはよくおやつに食していたものだった。群馬の少年が食べているおやつとして有名なのが、具もほとんど無いくらいに水っぽい「もんじゃ」なのだが、それではお腹の足しにならないものであり、実際には菓子パン類やコロッケ、ハムカツなどの揚物が人気だったのである。おいらも好物のメニューであった。

子供の頃のおやつのハムカツが薄っぺらなものだったのに比べ、居酒屋メニューのハムカツのハムは厚く、5mm程度もあり、噛み応えもばっちりの満足度充分である。ハムの感触がしっかり味わえ、生肉にはない貯蔵肉の風味さえ漂ってきていた。

御多聞にもれず、おいらの自家製ラーメンの具などにはよく用いられるのがハムであった。すなわち極めて日常的な食材ではあった。

お馴染のハムもまた厚く切って揚物にして、しかも最近珍しくなったウスターソースなどをかけて頬張れば、意外に感動的な逸品の味わいなのでありました。

八王子の繁盛店「壱発ラーメン」の「ねぎラーメン」を食す

八王子駅南口から徒歩4~5分のところに、「壱発ラーメン」という八王子市民に支持され賑わっているラーメン店がある。「八王子ラーメン」の範疇には入らない、個性的なメニューが並んでいる。

同店の一押しのメニューは「ねぎとろチャーシューメン」である。味付けされた白髪ねぎととろろ芋、そして丼を覆い尽くすくらいのチャーシューがトッピングされているものだ。店内に入る客に一々声を掛けては、

「お勧めはねぎとろチャーシューメンです。迷った人はこれをご注文ください…」

等々の声を掛けて促すのだが、数回聞かされた客にとっては、個人的な感想ではあるが、些か鬱陶しいのだ。それでも常連客で賑わっているところを見ると、客もそんな煩い掛け声を容認しているのだろう。

この日注文したのは「ねぎラーメン」。とろろやチャーシューなどのくどいトッピングは元々おいらの好みではないが、多めの白髪ねぎと豚骨ベースの個性的なスープとの相性はフェイバレットなのである。最近同店では、ほとんどこのメニューを注文している。

スープが濃い目であり、トッピングされた白髪ねぎも辛味の強い味付けが刺激的である。バランスは悪くないが、これだけでお腹を満たそうとすれば、げっぷが出るくらいにくどいのだ。

ネツト上のコメント、書き込み等を読んでも、そんなこんなで好みも分かれるところのようである。

■壱発ラーメン 八王子本店
東京都八王子市万町19-1
042-626-9948

5月の皐月(さつき)ならぬ「躑躅(つつじ)」の花が満開見頃なのだ

桜が散ってモノトーンと化していたごとき町並みに皐月の花が満開か!

――等とそう早合点していた満開の、真紅の花弁をデジカメに納めていたおいらであったが、実はその花は「皐月」ではなく「躑躅(つつじ)」の一種であったということを知り、2度吃驚したのでありました。

自転車のペダルを漕ぎつつ路地裏の小路を走っていたおいらの視界に飛び込んできたのは、真紅な花弁を咲き猥らせている、さる瀟洒な庭の花壇の一隅に咲き誇っていたつつじなのだった。躑躅という花の咲き誇った様子に、自転車の歩を止めて見入っていたのだ。

5月の花だから「皐月」だとばかりに早合点していたのだが、色々と調べているうちに更なる混乱を来たしてきたのだ。「皐月」とはそもそも「ツツシ科」の一種で旧暦の5月、即ち「皐月」に咲く花として記録されてきた。云わば躑躅の中の特殊な品種なのだったということになる。

兎に角にも本日は、躑躅の花弁の見事なりを視覚におさめて味わおうという心づもりであった。

日本のちまきと中国風ちまきについての考察

端午の節句はとうに過ぎ去ったが、ちまきの味わいは未だに健在である。

先日に食した中国風ちまきは、お馴染みの日本ちまきと似ているが、やはり別種の食べ物だった。竹の葉に包まれていたそのちまきを開けば、甘酸っぱい濃厚な香りが鼻を突いたのだ。

馴染みの日本ちまきはもっとシンプルで、日本菓子の一つと認識していたが、中国ちまきはあくまで一品の料理として主張していたのだ。

弾力性のあるもち米と、蒸し上げる製法による「ちまき」なる料理だが、日本と中国、あるいはアジア各国にて食されてきたものには、それぞれに特徴がある。

植物の皮で包んで、もち米のご飯がぎゅうぎゅうに詰まっている。しかしながら中身はお国柄の違いが濃厚である。

日本の馴染み深いちまきは、笹の葉で包んで蒸される。笹の葉というのは日本菓子における重要な脇役的地位を有しているので当たり前のように受け取ってきたが、中国ではそんな大前提が違う。竹の葉のご飯というのだから、新しいメニューのようでもある。

ベトナム、カンボジアなど、アジアの各国でこの「ちまき」はポピュラーだという。多少の味付けや食べ方の違いはあれども、そんな差異を楽しみながら味わってみるのが乙というものだろう。

東北産「切干大根」の香りにうっとりなのだ

先日、東北地方の食材を使って東北の人達を支援しようというキャンペーン会場に出ていた「切干大根」を買っていたので、それに干し椎茸、人参を加えて、切干大根とその他の煮込み料理を作ったのでした。

これらはかねてからのおいらの定番料理のレパートリーに入るものなのです。久しぶりの定番料理の執行なり。

切干大根、干し椎茸、人参を、同様の5ミリ程度にカットして、薄口醤油、味醂、砂糖少々、2本の唐辛子、そして鰹出汁で煮込むこと20分程度。そして常温で冷ますこと30分程度。決して短くはない時間を経て「切干大根他の煮込み」は完成したのだ。

水でもどした食材を鍋に入れて火に掛ける。水でもどされた切干大根が煮込まれるにつれて、ツーンと鼻を突くような刺激的な香りが漂ってきたのだ。小さいがキリリと光り自らを主張する存在感が巨大なのである。さすがに東北産の食材ではある。

主役はあくまでも「切干大根(東北産)」なのである。その食材がものすごくの香りを漂わせていたのだということ。なおかつとても凛として爽やかな刺激に幻惑されつつあるおいらがまたそこに居るのである。