「メディアの発達と人間の精神の発達は、無関係だ」(吉本隆明氏「悪人正機」の語録より)

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上記に引用したのは、吉本隆明さんと糸井重里さんとの共著「悪人正機」の一説に示された言葉である。「無関係だ」という素っ気無い一言の中にこそ真実が潜んでいる。

いまや国会議員ともなり出世した有田芳生氏は、かつて「ネット人格は矯正不能です」と述べていたのだが、それに比べれはとても温かな人情味溢れる言葉として受け取ることが可能である。

人間の基本は「魂」「心」の存在に依拠している。であるからしていかにしてネット等のメディアが発達しようとも、あるいは猛威をおよぼそうとも、メディアによる情報操作が及ぶのは末梢的な出来事に過ぎないのであり、それ自体が不毛な論議であるということを、吉本隆明さんはとてつもなく朴訥とした言葉によって語っているのである。う~む、深い箴言である。流石だ!

満開の桜の木の下に立つと、誰でもバカに見える。(i)

タイトルに示したのは村上春樹と糸井重里との共著「夢で会いましょう」の中の、糸井さん担当の章に記された一節である。

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そろそろ東京も桜の見頃かと銀座の桜の咲く公園を散策したが、まだまだであった。幸いなことに満開な桜がなかったため、バカ騒ぎする人々の姿も見当たらなかったのである。春かと思えばみぞれ降る空模様に、桜のつぼみもどうしたらよいのか迷っているに違いない。現在はまだ2分咲きといったところだろうか。周囲を気にし周りに合わせる。周りを気にしてなかなか早咲き桜が後に続かないのは日本の桜だからこその光景である。