上州産の蒟蒻(こんにゃく)は刺身より味噌おでんで味わうべし

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上州群馬県の名物のひとつに蒟蒻(こんにゃく)がある。こんにゃくいもから加工されるこんにゃくは、群馬県内で90%近くが栽培されていて、そのほとんどが下仁田を中心とする群馬県西部の農地に集中されている。

上州人のおいらは幼少の頃からこんにゃくに親しんできた。味噌汁の具として、おでんの具として、あるいは刺身の具として、その食材は県民のお腹を満たしていたということがいえる。

だがしかし、こんにゃくという食材はダイエット食材として利用されることがほとんどであり、おいらは高校卒業後の上京してからその事実を知ったという経緯があった。

おいらが好きなこんにゃくの顔は灰色をしている。いわばロマンスグレーとでも云いうるような灰色をベースに、アクセントとしての黒ゴマの足跡を残しているというのが特徴である。

そして独特の加工手順を踏むことからも、灰汁を含んだ味わいもまたこんにゃくを味わう上で欠かせないのだ。

最近は東京都内で「刺身こんにゃく」なるメニューに出会うことが多くなっており、そのほとんどでがっかりと落胆させられる。その色形から、綺麗事の見え透いた味わいに至るまで、どれもが本来の日本産こんにゃくの条件を満たしてはいないと思われるのだ。

先日に地元で食した「蒟蒻の味噌おでん」はそんなマイナスなイメージを払拭するに充分な味わいだったのである。厚切りにされたこんにゃくの上に、甘辛く煮込まれたおでんの味噌がかけられているという素朴な料理なのだが、その素朴さが却ってこんにゃく料理の王道を歩んでいるということを実感させていた。

上州産の蒟蒻(こんにゃく)は刺身より味噌おでんで味わうべしなのである。

九州宮崎地鶏の「赤鶏」のタタキを食した

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宮崎産地鶏の「赤鶏」のタタキを食したのだった。宮崎県を始め九州が特産の地鶏として全国区的となったブランド地鶏が「赤鶏」である。

関係ホームページ等では宮崎県霧島山麓で天然水を飲んで健やかに育った地鶏だと喧伝されている。見た目が赤いのに加えて肉質は柔らかく味はコクがあり、身がしまっている、等々の評価が定着している。

注文した「赤鶏」は見た目も鮮やかであり、そのタタキの身はモモとムネの二種類が提供されていた。コクのあるもも肉とあわせてあっさりとタンパク質豊富なムネ肉とを一度に食することとなっていた。やはりモモ肉のほうが食べ応えがあり、満足感を感じさせていたが、ムネ肉を使った料理としては逸品の味わいだった。

「生誕100年記念 ヘンリー・ミラー絵画展」の図録をゲット

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ふと立ち寄った古書店にて「生誕100年記念 ヘンリー・ミラー絵画展」という図録画集を発見したので、購入していたのだった。

中を開けて読んでみると、文豪ヘンリー・ミラーは30歳代から始めた水彩画において天賦の才能を発揮していた。彼はその後の生涯を通じて数千点もの絵を描いているがそれらも自由の精神にて満ち溢れているということが強調されている。

そしてページを括ってみたところ、最近ではよく云われる「ヘタウマ」的な作品がほとんどであった。とてもシンプルな線と色とで縦横無尽に筆を走らせている。水彩の色は濁りなく鮮やかであり、隣り合う色彩との相性が絶妙ではある。決して具象的には描いていない作品群の中には、とても鮮やかな色を駆使して、深い人生観を表現したものがあったと受け取っていたのだ。

其れはまた、ヘンリー・ミラーの作品を、これからもっと読んでいきたいと感じていた体験でもあった。

夏には旨い、吉祥寺もつ焼き屋の「豚冷製盛り」で一献

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実家から帰京するおり、吉祥寺の街を散策。馴染みの風景を目にした後に、南口駅近くの「四文屋」というもつ焼き居酒屋へ立ち寄った。

写真は「豚冷製盛り(3種)」というメニューで注文したものである。カシラ、ハツ、タンの3種類。それぞれに湯引きして冷やして提供されている。

一見したところ、串焼きとしてよく食べている「カシラ」がとても脂身にまみれているという外見に驚いていた。視覚的には、白く見えるところが脂身だとすればカシラという部位は脂身にまみれているというふうに見えていたのだった。

恐る恐るの体にて豚カシラの冷製を口に運ぶ。危険信号的に感じた程の脂身ではなく、あっさりと口に入って程よい脂身の旨味を感じさせていた。そして、ハツ、タン、というモツの冷製は表目には、上手くできたカツオのタタキのように、外がこんがりで中がレアという、美味いもの風の表情をたたえていたのだった。

■四文屋 吉祥寺店
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-1-5
0422-76-3877

直木賞受賞作、桜木紫乃さんの「ホテルローヤル」に読み耽っていた

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ご存知、本年149回直木賞を受賞した短編作品集である。直木賞発表の翌日に書店で探したがすでにどの書店でも売切れていた。先日はようやく増版されたのを目にして購入していたのだ。

すでに様々なマスコミ報道で喧伝されているように、この直木賞受賞の作品集は「ホテルローヤル」というラブホテルを舞台にして展開されている。大衆文学賞こと直木賞受賞ということで、エログロ系な物語を期待して購入する読者も少なくないようだが、そんな期待は木っ端微塵に砕き去られており、それぞれに作家の人生体験をもとに練りこまれた掌的小説といった印象なのである。

書き下ろしを含む7編の短編小説集の「ホテルローヤル」は、云わば反時系列的に順序立てられている。つまりは最初の掌編が時系列的には最も新しいのであり、最後の掌編「ギフト」が最も古いときの、「ホテルローヤル」オープンにまつわるエピソードを描いている。

世の不条理に流されつつも自らの生き場所を求める人々が、何組も登場しており、それぞれに人生の機微を表せつつ、なお先の希望を抱き続けているさまが、読後感を爽やかにさせている。報道によれば作家の桜木紫乃さんの元職業が、ラブホテルの経営だったということであり、作家自らの長く蓄積された思いの数々が凝縮されている。

国立美術館の「アンドレアス・グルスキー展」へと足を運んだ

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六本木の国立美術館で開催している「アンドレアス・グルスキー展」という一風変わった展覧会へ足を運んだ。

■アンドレアス・グルスキー展

http://gursky.jp/

会場 国立新美術館 企画展示室1E 〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2

主催 国立新美術館、読売新聞社、TBS、TOKYO FM

会期 2013年7月3日(水)~9月16日(月・祝)毎週火曜日休館

開館時間 10:00~18:00 金曜日は20:00まで 入場は閉館の30分前まで。

料金 当日 1,500円(一般)、 1,200円(大学生)、 800円(高校生) 前売/団体1,300円(一般)、 1,000円(大学生)、 600円(高校生)

写真作家のアンドレアス・グルスキーは、1955年に旧東ドイツのライプツィヒで生まれ、幼少期に西ドイツに移住。1977年から1980年まで、エッセンのフォルクヴァング芸術大学でオットー・シュタイナートやミヒャエル・シュミットらの指導のもとヴィジュアル・コミュニケーションを専攻し、その後、1980年から1987年まで、デュッセルドルフ芸術アカデミーで写真界の巨匠ベルント・ベッヒャーに師事したとされている。2001年にニューヨーク近代美術館(MoMA)で大規模な個展を開催し、一躍世界にその名が知られることになった。

今回の展覧会は我が国日本においては初めての個展ということだが、東京都内というより我が国を代表する美術館の広いスペースを使っての大々的な展覧会であり、あまりこうした展示会には接した記憶がない。いわば一風変わった展示会というもの見たさに、興味半分で足を運んでいたのが実際である。

「写真」という一ジャンルの作品でありながら、「アート」だと主張しているらしいのだが、写真が写真のジャンルを超えてそれ以上のものにはなりえないのである。いささか無謀なる主張ではある。

というわけであり、作品展を見回ってみたのだが、おいらは写真展としては邪道だという思いを強くしていた。デジタル処理やらというオリジナリティを侵害するようなものを公然と主張している。こんなことは写真界にはかつてなかったことではある。「写真」というメディアが存在する基盤もを否定するかのような主張には、はなはだ倦厭の情がたぎりたっていたというべきであろう。

写真というものは写真であり、デジタル処理を施して「アート」になるなどということはありえないのである。こんな物事の基本的な真実をないがしろにするような展覧会にはガッカリ至極なのではあった。

獰猛な顔を思いつつ「鱧の梅肉添え」を食する

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夏は始まったばかりだが毎日が暑苦しい季節ではあり、特にここ数日は戻り梅雨などとも云われるムシムシとした気候に打ちのめされる。そんな折、関東地方では未だ珍しい鱧(はも)の料理に出食わしたので早速味わってみたのである。

注文した「鱧の梅肉添え」というメニューは、湯引きした鱧の身を丁寧に骨切りをして、梅肉を添えて出されていた。関西地方の鱧料理の中では定番中の一品である。

そもそも鱧の湯引きと云うのは、関西地方ではポピュラーだが、関東地域に於いてはとても特殊なメニューとなっている。新鮮な鱧の身を湯引きする前にとても繊細な骨切りという調理工程を必要とするのだ。この骨切りを上手に出来る調理人は関東地域にはあまり多くはないのだろう。だからこそ本日の鱧の湯引き料理には何時になく満足感を味わっていたのだった。

そもそも鱧という魚類は全長1mくらい、もっと巨きいものでは2m以上はあるといい、ウナギ目・ハモ科に分類される魚の一種だという。鰻ほど脂は乗っていないので、その栄養素については軽視されているが、実はこれがとても生命力溢れる魚の一種なのである。鱧のいわば獰猛な顔はその顎と歯の発達した形相において特徴的である。同じ魚類の中では獰猛且つ個性的な種類として特筆できるのであり、その生命力から得られる食材としてのパワーについては注目に値するものなのである。

22種の野草穀物等、健康成分をブレンドした「黒健茶」

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22種の野草穀物等、健康成分をブレンドした「黒健茶」を飲んでいる。その原材料は、大麦、ハブ、とうきび、大豆、はと麦、黒豆、クコの実、熊笹、どくだみ、はま茶、柿の葉、びわの葉、スギナ、ナバナ、甘草、グァバ、クコの葉、アロエ、桑の葉、あまちゃづる、おおばこ、シモン、といった22種。それぞれが健康茶として単独でも商品化されているものだ。あたかもそれらを網羅した健康素材茶のショールーム的アレンジによる商品なのである。

おいらが実際に数週間飲み続けた印象としては、どくだみの味覚がしみるどくだみが主体の健康茶であり、柿の葉、桑の葉、等のダイエット志向のアレンジ商品であるということで、おいらも些かながら身体が軽くなった気分なのである。夏はこれを冷まして飲むのだが、薬草の味わいが結構いけるのである。

■黑健茶
http://www.kuronoya.jp/products/detail.php?product_id=69

「茄子の揚げ出し」は夏日には無くてならないメニューだ

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近頃は「茄子の揚げ出し」の料理をよく摂っている。暑い夏日にはトマトのメニューは必須であるが、その中でも揚げ出しを少し冷まして提供されたものはまさに、夏には必須レシピの代表格であると云ってよい。

88歳で今年には89歳になる父は、自宅庭を活用した家庭菜園で茄子を育て、育って食用になった茄子のほぼ全てを焼き茄子にして愛食しているのであり、たしかにこれは此れで美味しいのだが、揚げ茄子にしたらもっと美味しくかつ健康的でもあると思ってアドバイスしたいのだが、なかなかそのチャンスが訪れては来ないのではある。

茄子と揚げ油の親和性はとても高く、一面では脂分の摂りすぎと云ったデメリット的要素があるが、それでも此のメニューは欠かすことが出来ない。

例えば、冷やしうどんや冷やしそば、冷やし中華そばの具材として、揚げ茄子を添えれば確かな逸品に早変わりである。食欲不振に陥りがちな夏こそ、茄子の揚げ料理に注目すべきなのである。

夏にも美味しい「冷やしおでん」の注目はトマト也

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おでんは冬の食べ物だと思っていたのは昔の話ではあり、近頃平成の時代にあっては、おでんを冷やした「冷やしおでん」なるメニューが暑い夏にも幅を利かせているのである。

薩摩揚げ、蒲鉾、大根、蒟蒻といったおでんの定番的なおでん種に加えて、夏野菜のトマトが目に付くのである。冬の季節のおでん種としても市民権を得つつあるのがトマトなのだが、夏に冷やしたトマトを食べるほうが冬に食べるよりも美味いのは間違いない。

云わば当たり前の常識なのではあり、冷やしおでんにトマトは必須の食材と云う地位を得ているのである。夏にも美味しい「冷やしおでん」の注目はトマト也、ということなのである。

ちなみに冷やしおでんの具材としてあったのは、南瓜やシメジ茸などである。夏の食材ではないが冷たいおでんにはよく合っている。

マスコミ報道通りの自民圧勝の参院選挙に、今更ながらの落胆

 

参議院選挙の本日は故郷の上州で過ごしているが、おいらは都内で期日前投票を済ませていた。マスコミ報道にて予想通りであったとは云え、自民圧勝の今回の選挙については、今更ながらの落胆の思いでいっぱいであり、これからの我が国の針路に対しても悪しき影響を与えることが必至ではある。

株が上がれば経済好調だなどという短絡的な争点に終始された選挙結果のゆくすえではあり、なんとも云いがたい沈鬱な思いに支配された今宵である。唯一、今回の選挙でフレッシュに感じさせたのは、東京地方区にて山本太郎候補が当選確実を得たということくらいであろう。今まさに暗黒的我が国の将来がひたひたとおよびつつある。

上州前橋が誇る近代詩人の大家を記念する「萩原朔太郎記念館」を散策

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上州前橋が誇る我が国の近代詩人の大家こと萩原朔太郎さんの記念館を散策した。

■萩原朔太郎記念館 群馬県前橋市敷島町262 敷島公園ばら園内

前橋市内の北に位置する市民の憩いの場こと敷島公園内の、バラ園と呼ばれる一帯の敷地の中にその「萩原朔太郎記念館」はある。あまり市民には知られていないと見えて、今回訪れたときも訪問客は少なかった。却っておいらはゆっくりと散策できたのでありラッキーこの上なきなのであった。

もともとは朔太郎さんの実家、生家は市街地の北曲輪町(現・千代田町二丁目1番17号)にあり、父は地域の名医として信望厚く、一時期は患者に整理札を出すほどであったという。しかし大正8年にその父が老齢のため開業医をやめたので、萩原家は石川町に移った。このとき北曲輪町の家は津久井夫婦が入り「津久井医院」を開業し、実質的に津久井家が萩原医院の後を受け継いだということである。

記念館はその後に、敷島公園内に移築されたものとなっている。「書斎」「離れ座敷」「土蔵」という3体の建造物がその記念館として立ちつくしている。もともとは数十の部屋を有した萩原御殿の生家と比すれば、3つの部屋ではありとても狭い敷地内に移築された記念館ではある。

おいらを含めてもともとの朔太郎ファンにとっては些か残念な気もするが、それでも代表的な萩原家の造りを今に残していており、萩原朔太郎さんの作品が創作された現場としてとらえればまた、感情移入することの出来る記念館となっている。

朔太郎さんが生家に住んでいた頃は、特に「離れ座敷」とされる部屋には、北原白秋、若山牧水、室生犀星などの詩友が訪れてこの部屋に通されたとされている。群馬県のみならず我が国における近代文学の発祥の場として貴重な記念館ではある。

かつて地元では慣れ親しんでいた「クワガタ虫」の子供に遭遇

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上州こと群馬へ帰省中のおいらではあるが、実家の家で、いつもの部屋へと足を踏み入れた途端に、足に何やらきりりと指すような刺激が走った。蚊でもなければ蜂でもない。そんな刺すような痛みは強烈に感じていたが、足の裏に巣くっていたのは、なんとも意外な昆虫こと、クワガタ虫の小さな子供のようではあった。ちょいと足をおいらが踏んづけてしまっていたことで、その子供のクワガタは元気がなかったようなのであった。子供クワガタにとっておいらの足は天敵でもあったであろうことは想像に難くないのである。強烈な暑さが襲っていた一時期は過ぎ去ったようだが、未だ暑い夜の木の葉に、本日遭遇したクワガタ虫の子供を置いて、今生の別れの儀式にも似たことなどを行っていたのである。

銀座奥野ビル「ギャルリーヴィヴァン」の「夏目漱石版画展」は一見以上の価値有り

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銀座一丁目の奥野ビル内「ギャルーヴィヴァン」では、20日(土)まで「夏目漱石版画展」が開催されている。

ご存知夏目漱石と云えば、明治維新後の混乱期に生を受け大正5年に没した、我が国の近代文学を代表する文豪である。そんな文豪が数多くの版画をものにしており、其の達筆なる所業が存在していたことはあまり知られていない。

今回の「夏目漱石版画展」は、大正11年から13年にかけて、夏目漱石のご長男夏目純一氏が監修した、漱石遺墨集全5巻のなかに入っていた木版画である。版の制作は当時美術作品の制作では、第一人者の伊上凡骨によるものを中心にしているという。一見、木版とは解らないほどの高度な職人技によって再現された漱石の水墨画は、改めて、漱石の魅力を深めるものとなっている。

夏目漱石の版画展を訪れて気付いたのであるが、夏目先生は自作へ「漱石山人」という署名を記していた。文学とはジャンルの異なる版画制作の世界においては、この「漱石山人」を用いていたと見られるのであり、此れは一驚ではあった。漱石の版画に掛ける特別な意欲を感じ取るに充分なのである。

「漱石山人」という署名についてはおいらのみならずに、漱石さんの後輩である文豪こと芥川龍之介さんがまたとても注目しており、例えば「夏目先生」という一文にて其の驚きを記しているのだ。

―――――(以下引用)

「夏目先生」

芥川龍之介

僕はいつか夏目先生が風流漱石山人になつてゐるのに驚嘆した。僕の知つてゐた先生は才氣渙發する老人である。のみならず機嫌の惡い時には先輩の諸氏は暫く問はず、後進の僕などには往生だつた。成程天才と云ふものはかう云ふものかと思つたこともないではない。何でも冬に近い木曜日の夜、先生はお客と話しながら、少しも顔をこちらへ向けずに僕に「葉巻をとつてくれ給へ」と言つた。しかし葉巻がどこにあるかは生憎僕には見當もつかない。僕はやむを得ず「どこにありますか?」と尋ねた。すると先生は何も言はずに猛然と(かう云ふのは少しも誇張ではない。)顋(あご)を右へ振つた。僕は怯(を)づ怯づ右を眺め、やつと客間の隅の机の上に葉巻の箱を發見した。

―――――(引用終了)

銀座奥野ビル「ギャルーヴィヴァン」の「夏目漱石版画展」は一見以上の価値有りなのである。

■夏目漱石版画展
2013年7/1~20日(土)
ギャルーヴィヴァン
東京都中央区銀座1-9-8奥野ビル1F
TEL 03-5148-5051

銀座の「シネパトス」が消えても「食事処 三原」は未だ健在

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今年3月には銀座の名画座「シネパトス」が消えて、三原橋界隈はてっきりと寂しくなってしまった。

シネパトスと軒を並べていた半地下街の食堂街はほとんどが其の営業に終止符を打って、今では名店の誉れ高き「食事処 三原」が一軒のみ。思えば同店には1年以上訪れていなかったのだが、久しぶりの「カツカレー」にはガツンとまいってしまった思いなのである。

衒いのないカレーの味ははじめて訪れた時のままであり、店内の雰囲気も其のままである。上にのったカツは前より些か小さくなったかのようでもあるが、カロリー控えめ志向のおいらにとっては丁度良いくらいの大きさであった。つけあわせの古き良きラッキョウがまたカレー味にアクセントを添えている。そしてなによりも、こんがりと揚げられた香ばしいカツとカレーのルーのハーモニーが夏バテ気味の胃袋を元気にしてくれていたのであった。

銀座奥野ビルのギャラリーで、鬼塚緑さんの「毛葬展」に出会った

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久しぶりに銀座1丁目の「奥野ビル」を探訪。1932年に竣工されたこのビルは、地下1階、地上7階建て。画廊やギャラリーが入っていて、様々なジャンルの意欲的な作品に触れることが出来るという希少なスポットである。

久しぶりに訪れてみると、1階入口のところは改装されてしまっていたが、ビル中の歴史ある重厚さは以前のままであった。ことに昭和初期のビル建築の象徴とも云うべき、2重の鉄格子に囲まれたエレベーターは以前のままであったのであり、数年ぶりの感銘もひとしおであった。先ずはいつものようにエレベーターで7階へ昇り、階段で下りつつの画廊巡りが始まった。

今回の探訪で最大の収穫はと云えば、鬼塚緑さんの殊更にユニークな「毛葬展」に出会ったことであった。女の命にも比される「毛」を使って人間の葬送を奏でるというような作品イメージに満たされていたのであり、おいらは其の衝撃に身震いするほどだったのである。作家の鬼塚緑さんは、人間の本当の姿をモチーフにして平面作品を制作していたが、2011年から立体と肉体の表現を始めたという。展示会場には半立体的作品が主であり、若き創造力を会場一杯に撒き散らしていたのであり、此れこそ奥野ビル内ギャラリーにぴったりのお勧めの美術展ではある。

■鬼塚緑個展「毛葬展」
7/15(月)~7/20(土)
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル206号
ART GALLERY 石
03-3561-6565

https://twitter.com/O2midori

http://itigo821.fc2web.com/

暑い夏には「つけ麺」で栄養補給なのだ

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暑い日々が続いている日本全国である。暑い日々にはソーメンや冷やし中華が幅を効かす季節でもある。

おいらは暑い季節にはソーメンや冷やし中華も食するが、だがそれ以上に習慣付いているのがつけ麺なのである。

叉焼やゆで卵といったタンパク質食材が豊富であり、麺類ならではの暑い日々にかき込むべきイメージにも似合っている。こんな季節にはラーメンよりもまたは熱い掛け蕎麦類よりも、中華のつけ麺が身近なメニューとなっている。

 

上州名物、逸品の「水沢うどん」を味わったのだ

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帰省中の上州群馬にて、久しぶりに逸品の「水沢うどん」を味わったのだ。

つるつるした食感が独特な水沢うどんだが、今回味わったものは、通常の水沢うどんよりも細めの麺であり、たまたま歯科治療中のおいらにとっては食べやすく、しかものど越しも抜群であった。

水沢うどんというのはそもそもは、上州水沢地内にある水澤寺(水澤観音)付近で提供される手打ちうどんであったものであり、つやつやつるつるした独特の麺が特長である。四国の讃岐うどん、秋田の稲庭うどんとともに、我が国の「三大うどん」の一つとして評価されている。

乾麺でも生麺でも無く、半生の麺をじっくりと時間をかけて茹でることにより、逸品の食感が生まれるのだ。

実は三大うどんの中では水沢うどんが一番なのであり、それは即ち我が国のナンバーワンうどんである。まだまだマイナーな郷土食である「水沢うどん」は、もっと全国的にPRされるべきである そんなことを考えつつ、上州の郷土食を見直しながらにうっとりである。

上州前橋の「だるまハイボール」で一献

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帰省するたびに地元の酒場に足を運ぶことが多くなった。あまり上州前橋には酒飲み族の名店といったものは無いが、それでも上州ならではのメニューにはいろいろ遭遇し、故郷の味を味わっているのだ。

前橋駅近くの居酒屋では、「かみなり鳥唐揚げ」といった地元特有のメニューなどが提供されていた。それ以上に目に付いたのが「だるまハイボール」。ダルマことサントリーオールドのウイスキーを炭酸で割ったものである。オールドがダルマのメインの酒だったということはユニークであり、以前には愛飲していたオールドへの思い入れを含めてとても味わい深かったのである。

上州酒場とも称しているその酒場では、かみなり鳥唐揚げというメニューが提供されていた。普通の唐揚げとは違いごまがたっぷりかかっていた。味付けは普通の旨いのしろものである。

猛暑の日のスタミナ補給にも役立つであろう「コブクロ刺し」なのだ

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豚や牛の子宮を食材として調理されるのが「コブクロ刺し」である。人類を含む哺乳類の子宮を指している。刺しとはいえども実際は、ボイルされて提供される。数あるモツ刺しの中でもおいらの好きなメニューである。そもそもコブクロ(子宮)とは、人間を含めて女性の哺乳類における生殖器のひとつであり、これを食すると云うことは女性器の一つを身体に含めると云う行為を指しているのであり、これはおいらも含めて男性人にとっての、所謂一つの女性ホルモン摂取の行為ではないかと考えているところなのである。

食感はと云えばおいらが大好きな種類の、適度にもっちりそしてまた、コリコリとして、噛み応え充分ありである。刺身の他にも焼き物があるが、炭火焼にすればもっちりとして中に芯が通って、とても筆舌に尽くし難いと云って良いくらいである。男子たるべき人間が、簡単に味わってはいかんという構えは持っていたはずだが、ついつい欲に任せて注文してしまうのだ。ところではてな、女性人はどうなのだろうか? あまり焼肉、焼トン店にて女性が「コブクロ」を突付いている姿は記憶に無いものである。それはもしかして、無きもの欲しさの食欲なのであろうか?