今年も築地では初競りが行われていた。今年のマグロの初競りでは451万円の値を付けたというニュースを耳にし、そんな最高値の青森大間産マグロを見ようと築地市場へと足が向かっていた。散歩の途中で人熱れに巻き込まれていた場所が、すしざんまいの店舗前。4年連続で最高値を付けた「すしざんまい」店内を眺めたところ、当の最高値マグロが、ショーウィンドウの様にビジュアル配置されていたのであった。やはりなんといっても大間産の最高のマグロだという刷り込みが強くあって、すしざんまいの高級寿司店のショーウィンドウ的戦略が功を奏していたことは認めなければなるまいな。そんな光景を目にしたあとで、おいらは久しぶりの築地市場の海鮮料理を物色していたのであった。すしざんまいは何度か訪れたことはあるが、あまり雰囲気がすきではなく、特に最高値のマグロなどを待っている消費者風情の一人になるのは御免であり、細い路地の途中で目にした海鮮丼専門店にて、とてもオーソドックスな海鮮丼を注文していたのである。ウニ、イクラ、生エビ、マグロ、その他刺身で何時も食べているタコ、サーモン、等々のネタが築地ならではの鮮度を盛って提供されていた。築地らしい一品だった。某料理店の窓口では、適当な英語もどきを並べ立てていた店員の接待に呆れてか、米国人の集団に途中退場されていた光景などを目にしていたのである。築地を訪れる客の半分程度は外国人だとみえて、接客も英語が堪能な人材が不可欠とみえる。6年後の東京五輪のときまでには解決すべき課題が露呈されていたのではあった。
「小林活夫のブログ」カテゴリーアーカイブ
前橋「西洋亭 市」のカツカレー
雑煮やおせちに飽きたら、やっぱりカレーが食べたくなる。帰省中の上州前橋では地元店でランチを食べる機会が多いのだが、「西洋亭 市」という一見ありきたりの店名のカレーは、特別な出会いを感じとっていた。此の「西洋亭 市」とは前橋の市街地の一角に店を構えており、郷土食として浸透している「ソースかつ丼」の元祖だか発祥だかの店だという。此処の「ソースかつ丼」は、地元産豚肉の旨さに加えてソース味がマッチしていることに感動を覚えていたものだ。だがそれ以上のインパクトを与えられたのが同店の「カレーライス」なのだった。カレーのルーに煮込まれた豚肉はじっくりと味が染みていて柔らかく、豚肉の旨い出汁が滲み出ている。西洋亭という名前に反して和風の味付けも処々に感じさせる。ソウルフードの一つにノミネートしたいくらいにその味はしっくりして、おいらの味覚に焼き込まれてしまうようなのである。カツの種類は豚のロース、ヒレ、そしてチキンと豊富だ。ロースを叩いて薄くしたクリスピーというカツも中々の人気のようで、今回おいらは其れを食した。円やかなカレールウにマッチして美味であった。もう一つ付け加えておきたいのが「西洋亭」の店内の趣き成。築数十年は経つであろうと思われる其の古き良き昭和の時代の外観以上に、その趣きは凄いものがある。おいら自身が青少年時代を過ごしていた頃のアイテム達が店内の至る所に蔓延していて、さながら昭和時代の時代的移築物のような趣なのだ。上州前橋出身の萩原朔太郎さんの実家が敷島公園内に移築されている以上のインパクトを感じ取るに充分なのであった。
■西洋亭 市 前橋店
群馬県前橋市千代田町2-12-12
027-235-6846
「鱈豆腐鍋」は味噌味もいけるのだ
冬のさむい夜には鍋を注文することしばしばなれども、湯豆腐を食するにはいささか特別なる拘りが存在する。つまり湯豆腐の大切な脇役であるタラが在るということである。タラは銀ダラだったり真ダラだったりするが、豆腐のみの湯豆腐は味気ないのであり、重要脇役的存在である「タラ」が居てこそ、美味しい「湯豆腐」が成り立つのである。一昔前のおいらの食生活では、タラという食材は、世間一般的には「湯豆腐」の添え的助演的役割が期待されている。つまりはそれが主役の料理にはなかなか成り得なかったのである。それがいつの間にかタラが主役の鍋料理が目の前に出てきたのだから少々の驚きだったのである。食したタラの鍋は味噌ベースのスープだった。あまり馴染みが無かった味噌スープとタラの取り合わせは、意外ながらに相性良し。それまでは脇役だったタラが主役級に格上げされるというイメージさながらの出会いであった。
我が家の定番の今年の「雑煮」
八王子「まかど」の手打ち蕎麦で年越し
一手間加えて美味しい冬の〆鯖
「焼きポン」に出逢った
池袋「ふくろ」の「ハマグリ鍋」でほっこり
久しぶりに池袋を訪れていたおいらは、東口から数分の居酒屋「ふくろ」のドアを潜っていたのだった。此の地域というのは「美久仁小路」という一角であり、古き昭和のレトロの雰囲気が息づく地域である。そんな由緒正しき「ふくろ」の美久仁小路店にて一献傾けていたという訳なのではある。
■ふくろ池袋美久仁小路店
東京都豊島区東池袋1-23-12
まだまだ続く寒さに負けずにとしておいらが真っ先に注文したのが「ハマグリ鍋」という鍋料理。まだまだ鍋料理の需要は衰えること無いことと共に、ハマグリの鍋という一風変わった取り合わせに関心を持ったからではの注文ではあった。
内蔵に優しいハマグリ貝の独特の出汁とエキスが溶け出して美味かったことは確かなのである。だが所謂一つのハプニングが訪れた。それはハマグリの二枚貝が開く前に、火種が途絶えて鍋の火が消えてしまったことであった。店員のレディー達は事情を察して、瞬く間に生煮えのハマグリを厨房の火にかけて二枚貝の口を開かせたのであり、まさしく不意のトラブルに対する真摯な対応であり、そんな行為自体にはおいらも好印象を持っていたのである。調子に乗っておいらも、雑炊セットを追加注文。お椀にたっぷりのご飯とともに、生卵、葱の切り身、味噌だれ、出汁スープが並んで、結構な〆の雑炊にありつくこととなっていたのである。
地元居酒屋と我家の牛スジ煮込み対決
先日は、地元の居酒屋にて美味い牛スジ煮込みの料理を味わっていたこともあり、おいらはとても牛スジ煮込みに拘りが強くなっていた。そして地元のスーパーにて牛スジ肉を見つけた途端に、牛スジ煮込み料理を作ろうと決めたのであった。
先ずは上に写真を記したのが、地元居酒屋にて提供された牛スジの煮込み料理である。とても美味しい逸品。牛スジから滲み出る出汁の味を丁寧に利用していて、他の調味料はといったら無いに等しいくらいのシンプルなものなのだが、これがググっと味覚を抉ったのだった。余計なものを排した日本料理の王道を行くものだとさえ思えていたものなのである。
対抗しておいらは圧力鍋を持ち出して作ったのが上記の料理である。20分ほどの圧力鍋にての調理で、硬い牛スジが柔らかく調理され、その出汁を利用活用することができたのである。シンプルな牛スジ料理法の基本を踏襲しつつ、おいらなりの牛スジ煮込みを作れたので満足なのである。
南瓜のクリームシチューで今宵もほっこり
ここ数日の当ブログはと云えば、冬のほっこりシリーズに偏っていることを自覚しつつも、本日もおいらはほっこりメニューを求めていたのだった。本日作った料理はと云えば、日常的に作られるクリームシチュー。ただしいつもと違っていたのは、冬南瓜をたっぷりと使ったこと。牛乳ベースのスープに南瓜の甘くてまろやかな味覚が融け合って想像以上にほっこりと温まることができたのだった。
シチューに代表される洋風メニューには、牛乳等の乳製品が主要な地位を有しているのであり、和風料理には見られないものだが、山なめこを和風料理にばかり限定させていては勿体無いのであり、敢えて洋風のシチューに用いてみたのである。酒のつまみとしてもナイスであった。
仕事場近くの長浜ラーメン店でほっこり
日遅れて作ったかぼちゃ料理「ほうとう」でほっこり
冬至は昨日だったのだが、残念ながらかぼちゃ料理を作る時間もなく過ぎ去ってしまっていていと残念だった。かぼちゃを買って帰路に付いたが、調理する時間的余裕が無かった。というわけで本日はかぼちゃを使った「ほうとう」を作って食したのである。かぼちゃを使った代表的料理には「ほうとう」がある。近頃は都内のスーパーにもほうとうの麺が売っており、今日はそれを使って調理することにした。
この時期の旬のカボチャの甘い味がスープに溶け込んでいて、正統派の美味いほうとうにありつけたので満足だった。他の野菜に比べて頑強なボディである。緑黄色野菜の仲間で、細胞の老化を予防するβカロチンが豊富である。
冬至の時期にかぼちゃを食べると風邪を引かない、長生きする、等々ということわざが有名であるが、確かにこの季節のかぼちゃは天然の甘味満点であり、寒い季節をほかほかと中から温めてくれることを感じていた。
新旧「おでん」の食べ比べでほっこり
寒さが身にしみる昨今は関東風のおでんが美味しくなった季節である。だがおでんは近頃何度か接していたが、あまりおでんを食した気分にはならなかった。立川で途中下車して、おでんを頬張っていた。寒い夜には熱々ふうふうのおでんに限るのであり、途中下車したかいがあったというものなのだった。
其の酒場には、旧来のおでんとネタと共に、新しきおでんネタと称すべき様々なネタがあり、古くからのおでん種の他に、例えば「オムレツ」「タコ串」「チーズじゃがいも」等々のメニューは、マル、三角、四角の定番的旧おでんネタと共に、おいらの好奇心と胃袋を刺激していたのだ。おいらの好奇心と胃袋を刺激していたのだ。
冬に温かいおでんを頬張ればお腹も心も温まり、居酒屋巡りの醍醐味を味わえるのだった。おでんをお替りしたのは珍しいくらいだが、それだけ温まってきました。
上州前橋の嶺公園で墓参り
「ハマグリの酒蒸し」で冬の体調管理
「ふわふわオムレツ」で酒が進んだ
葛飾立石「江戸っ子」のカレーに舌鼓
葛飾の立石は下町風情が満開なので、おいらは度々訪れている。今回訪れたのは「江戸っ子」というお店。もつ焼きや煮込みが美味いと評判の地域定番的居酒屋である。同店オリジナルの「ボール」というハイボールの一種と思われるアルコールで喉を潤していれば、食欲は益々充溢していていく。葛飾区内下町呑兵衛達の聖地たるにゆるぎのない名店である。
今回注文したのは野菜カレーなる、日本人のソウルフード的な珍しいメニューであった。インドやタイのカレーではなくて、トロリとした小麦粉の食感が効いた日本のカレーであり、此の店のメニューだけあり、モツの出汁が効いている。「ボール」との相性も良くてほろ酔い心に舌鼓を打っていた。
■江戸っ子
東京都葛飾区立石7-1-9
03-3694-9593
「コブクロ刺し」をつまみに一献
豚の子宮をボイルしたものが「コブクロ刺し」であり、食感はと云えばおいらが大好きな種類の、適度にもっちりそしてまた、コリコリとして、噛み応え充分ありである。刺身とはいえども実際は、ボイルされて提供される。数あるモツ刺しの中でもおいらの好きなメニューである。そもそもコブクロ(子宮)とは、人間を含めて女性の哺乳類における生殖器のひとつであり、これを食すると云うことは女性器の一つを身体に含めると云う行為を指しているのであり、これはおいらも含めて男性人にとっての、所謂一つの女性ホルモン摂取の行為ではないかと考えている。男子たるべき人間が、簡単に味わってはいかんという構えは持っていたはずだが、ついつい欲に任せて注文してしまうのだ。ところではてな、女性人はどうなのだろうか? あまり焼肉、焼トン店にて女性が「コブクロ」を突付いている姿は記憶に無いものである。
寒いこれからの季節に「牡蠣鍋」は欠かせない
こんな時季は「牡蠣鍋」に限るのである。牡蠣が美味しい季節となっている。こんな時季は「牡蠣鍋」に限るのである。牡蠣は冬季の主役になり得る食材である。社会一般的には「海のミルク」等とも呼ばれるが、コクや味の個性においてミルクの比ではなく優れているだからこその「牡蠣鍋」を十二分に味わえる季節は、今を置いてないということが云えよう。繁華街の横丁の居酒屋で、そこそこと美味なる「牡蠣鍋」に遭遇することとなった。冬の季節に牡蠣鍋が美味いことは論をまたないが、本日という冬日の日に、其の夜間において、牡蠣鍋は特別な存在感を示していたことを記しておきたいのである。なんとなれば冬の寒気には牡蠣の苦味とコクがとてもおいらの喉に心地よく触れていたということなのだ。冬の夜に「牡蠣鍋」がすこぶる美味いことには理由がある。其の訳の一端として考えられるのが、豊富なるカルシウムの存在である。牡蠣は冬季の主役になり得る食材である。社会一般的には「海のミルク」等とも呼ばれるが、コクや味の個性においてミルクの比ではなく優れている。薄曇り色していた牡蠣のむき身が、熱湯をくぐっていたその先には、ぷっくりとして白鮮やかな牡蠣の身が、視線を和ませてくれたり、美味しさの手引をしてくれたりと、大活躍なのではある。だからこその「牡蠣鍋」を十二分に味わえる季節は、今を置いてないということが云えよう。ほかほかと温まった最後には「饂飩」を注文していた。出てきたのは太目の噛み応えのあるもの。具材のエキスを吸って濃縮されたスープは多少の塩辛さが気になっていたのだが、太目の饂飩がスープのエキスを吸っており、想像以上に濃厚な味わいがグッドなのではあった。