本日はカーネーション日和の日であった

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本日は年に一度の「母の日」ということであり、おいらも帰省先の母に逢いに行く途中の道筋にてカーネーションの鉢植えを買い求めていた。高齢の母に対するプレゼントとしては鬱屈した思いもあり些か歯がゆい思いも抱きつつも、母へのプレゼントに決めていた。高齢者の介護施設に入居中の母に対する母の日限定のプレゼントとして、カーネーション以外のアイテムを想像することができなかった。案の定と云うべきか母は「ありがとう」という素っ気ない言葉で受け取ってくれていた。

そもそもカーネーションという花は、こと我が国においては母の日のために在るのではないかとさえ思わせる、稀有な存在感を持っている。薔薇にも劣らず可憐であり、華やかである。花弁の描くグラデーションは繊細であり、薔薇の花を凌ぐほどでもある。其れくらいに華やかなカーネーションが、母の日のお祝いの儀礼に使用されることになった経緯については些か通常以上に強靭な関心が高まっていた。

おいらが買い求めていた深紅の花弁のカーネーションの他にも、ピンク色、白色、黄色、紫色、等々と色彩も多種多様である。赤いカーネーションばかりでないということは、即ち感謝する母の色が一種類ではないということを示しているかのようでもある。

やはり「カツオのたたき」は刺身には及ばない

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今年も何度かカツオを食したが、「カツオのたたき」を口にするのは久しぶりである。たたきとは皮の部分を日で炙り半焼きにしたもので、カツオがその代表的料理となっている。でもなかなかたたきを口にしないのは、カツオのたたきがカツオの刺身に比べて比べて味の感動に劣るからだ。日が通った皮の部分がパサパサしており、鮮度もいまいちだ。

そもそもカツオは、マグロよりも小ぶりではあるが上品な味わいであり、人間の健康生活に必須の成分であるところのEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)の含有量が多いと云うことが挙げられる。しかも季節の旬を味覚で味わいつつ季節を愉しめるのだからこのうえも無い食材だ。

「マーボゴーヤ」は確かにいけるのだ

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ゴーヤが地元のスーパーにも出回るようになった。夏にはまだ早いが、ゴーヤ料理を作りたくなった。普段作るのは定番のゴーヤチャンプルだが、今宵は以前から温めていたネオ定番の「マーボゴーヤ」にしたのだった。使用する食材は、豆腐、ひき肉、葱、等々のマーボ豆腐のものにプラスして、ゴーヤとそして冷蔵庫に眠っていたカボチャを活用。ピリ辛いマーボ味にゴーヤの苦さとカボチャのほの甘さが加わって、とても奥深くて個性的な料理が出来上がっていた。

そもそもスーパーで活きの良い鮮緑色のゴーヤを目にし、早速料理をしてみたのだった。特徴であるゴーヤのイボイボも感動的な位に際立っていていたのであり、このイボイボこそが身体を活き返させる苦さの源。ゴーヤの表面にある濃緑色のイボイボは夏の汗を象徴するかのように強力なエネルギーを連想させるに充分であり、その独特な苦さとも相俟って、これからの季節には欠かせない食材として定着している。

イワシを丸ごと味わえる「丸干し鰯」に舌堤なのだ

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鰯(イワシ)を丸ごと味わえる丸干しを食した。青魚の代表的魚類でもあるイワシは、丸干しにしたらとても味わい深く、しかも丸ごと味わえるのだから隅には置けないのだ。魚の加工品的食材の中には「丸干し」と云うものがあり、イワシやサンマを天日干しや機械乾燥などで乾燥させた食材を指している。丸干しと云う加工魚食材の特長は、半生的な魚の良さを引き立てていることである。生の食感や味わいには遠いが、開きもの等の乾燥ものには有り得ない魚特有の苦みやアクを味わうことが出来る。特に好みなのは「イワシの丸干し」であり、先日は干し加減が良好な大ぶりのそんなメニューにありつけていたという訳なのである。

イワシとはそもそも幼魚のころからシラスやちりめんじゃこ、目刺し、煮干し、等々として食されてきた。成魚となっても生で食されることは多くはなくて、干して目刺しや丸干しと して食されている。ちなみにおいらはイワシの丸干しが大好物なのだが、実はこれには痛風の原因物質たる「プリン体」が多く含まれているために、禁忌的食物 となっている。たまには食べるが、大量に食することが出来ないのだ。だがメリットも多くあり、最もポピュラーな青魚として動脈硬化症を予防する成分に注目が集まっている。脳梗塞、心筋梗塞を事前に防ぐ食材としては、青魚がナンバー1であ る。健康な血管を維持することがすなわち健康な身体を保つことにつながっているのであり、EPA、DHAといった特別な栄養素は青魚からとるしかないのだ。

「まぐろ納豆」は海鮮ものと納豆をつなぐ逸品メニューなのだ

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納豆はそのままでは酒のつまみになり難いが、まぐろと合わせるだけで逸品の酒の肴に早変わりなのだった。地元の居酒屋にて注文した「まぐろ納豆」は、そんなある種の一寸した驚きの気持ちを惹起させていたのである。少々細かく観察してみると、其の納豆は細かくひき割りにされていた。ひき割りにされた納豆が此のメニューの肝でもある。納豆の豆そのものとまぐろの身とはあまり相性が良くないらしいのだ。味付けはわさびと少々の醤油である。此の味はとてもシンプルであり、他の夾雑物は必要がないと思える。たとえ和食の出汁だろうが鰹節だろうが昆布だろうが必要がないと思われるのである。ピリっとしたわさびの刺激が此のメニュー全体に統一感を与えているようである。思うにこのメニューは酒が進むこと請け負いなのであるが、納豆を補給するのにも適当なメニューなのである。近頃のおいらの食生活において納豆不足が懸念されているからこその、大切なメニューとなっているのである。

佐藤泰志原作の映画「そこのみにて光輝く」を鑑賞


題名の「そこ」とは全てを捨て去った状況においての男と女の愛だと云うべきなのか…? 観賞後はまるで信じ難い結末が深くて重い感動の坩堝として渦巻かせていた。解釈は観た人々により夫々だが、この映画が訴えかけているテーマの重さは流石にズドン! と魂の奥深くを揺るがせずにはおかなかったのであった。

舞台は北海道の函館の、海と山とに囲まれた郊外。そんな場所に生きる行き場の無い状況に居る男と女たちが主役の物語である。「男」は山での仕事をある事件がきっかけにより逃避することを余儀なくされ、「女」は重く苦しい家族たちとのしがらみから逃れることが出来ずに、身体を売る生活に溺れかけて居る。逃れている男が求める求愛を逃れ得ない女は初めは拒絶してしまうのだが、次第次第に男と女の溝は埋められつつ行き場の無い愛の営みが芽生えていた。

そんなときにもう一人の重要登場人物の弟、即ち女の弟が引き起こす傷害事件により、行き場の無い状況が一気に動き始めて行くのだった。様々な犠牲を経て後に光り輝く瞬間が訪れていた。久しぶりに上質な日本映画に感動を受けていた。重く苦しく不条理な現実世界を反映したリアルなストーリーの果てのロマンを描いた同作品には、重く狂おしい感動を感じ取っていたのであった。

熊本発祥「桂花ラーメン」の味わいは格別也

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上州から帰京する途中に立ち寄った新宿で、熊本発の名物「桂花ラーメン」を食した。噛むのにも手こずるくらいのとても硬くて味わい深い独特の麺が特徴である。博多の豚骨ラーメンに近いが、さらにこのラーメンはと云えば豚骨に鶏ガラを加えて煮込んだスープが特徴的なのだ。新宿に立ち寄るたびに口にしたくなる味なのだ。

元々は熊本の地域ラーメンだったが、古くから新宿へと進出しており、もはや東京人にもなついている味である。おいらも学生の頃から親しんだなじみの味なのだ。豚骨のみのスープに比べればより複雑で、個性的な味わいなのだ。そして麺も太目であり、博多麺との違いも際立っている。もちもちと歯ごたえがあり、これが濃い目のスープに良くなじむのである。トッピングには叉焼、煮卵、メンマ、ネギといった一般的なものの他に、キャベツ、高菜漬けなどが用意されているので、度々来ても飽きることが無い。

■桂花ラーメン 新宿東口駅前店
東京都新宿区新宿3-25-6

トントンの街前橋ならでは、洋食屋ポンチの「豚カツカレー」

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前橋の弁天通り商店街の一角には老舗のカレー専門店「洋食屋ポンチ」がある。同店はしばしば映画ロケの場所ともなっていることから、映画ファンにとっては馴染みの名店である。大正時代から人気カレーの味を引き継いできた店のカレーなのであり、おいらが幼少の頃から親しんだ日本的なカレーのレシピが今なお引き継がれているのがとても嬉しいかぎりなのだ。

口にした人々からは「懐かしいカレーの味に出逢った」「昔と同じ味なんですね」等々といった評価があふれている。広く群馬県内においてみてもこのような評価、即ち懐古的比重の高い評価を得るカレー店は他には無い。

帰省していた本日は、トントンの街こと前橋ならではの豚カツとのコラボ的メニュー「豚カツカレー」を味わっていたのだ。古き良き懐古的味覚のカレールーに豚カツのぐぐっと迫る味わいがコラボしている。豚カツが先か? カレーが先か? と問われれば、カレーが少々先走っている感じではある。だがそれがトントンの味覚なのではある。トントンの上州豚はそれほど自己主張をすることなくして地元民に受け入れられているのであるから、カレーの名店のカレールウに押されていたとしても恥じることなど決して無いのだ。ともあれ数ある上州豚のトントンメニューの中で「ポンチ」の豚カツカレーは特筆されるのである。

■ポンチ
住所/前橋市千代田町3-3-18
TEL/027-231-2333
営業時間/11:30-14:30 16:30-19:30
定休日/木曜日

「ピータン豆腐」は中華の肴の一番かもしれない

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中華料理店で酒の肴を注文するとき、まずはピータン料理があるかをチェックする。中華のつまみでピータン料理は一番かもしれないくらいに偏愛している。あまりこのところ、夜の中華料理店へ行くことがなかったのだが、先日は久しぶりに旨いピータン料理にありつくこととなっていた。

そもそものピータンのレシピはといえば、1ヶ月あまり、塩、石灰、木灰、その他の混じった甕の中に、アヒルの卵を入れて密封される。白身は独特の茶色のゼリー状となり、この食感がたまらないのだ。元黄身の部分もまた、卵の成分を自らの作品に表徴とさせるがの如くに独特な味わいを提供している。このような不可思議な食材はあまり目にしたことが無い。

豆腐とねぎの刻みがピータンに合わさって、癖の強いピータンの味わいがマイルドに中和されていた。日本人の口にあった料理である。

圧力鍋で「牛スジ煮込み」を作った

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牛スジの煮込み料理を作った。圧力鍋の久しぶりの出番となった。

おいらが好きな「煮込み」と云えば、一般的なモツ煮込みよりも「牛スジ煮込み」である。牛スジのゼラチン質や繊維質が豊富であり低カロリー、しかも馥郁とした出汁が味わえるというのであり、どこぞの酒場に足を運んだときには先ずは此の牛スジ煮込み料理を物色している。美味い牛スジ煮込みは其れくらいに求むべき酒のつまみでもある。一般的に「煮込み」という料理には「もつ煮込み」と「筋煮込み」が双璧をなしている。おいらの好みはといえば筋の煮込みの中でもとりわけ「牛筋煮込み」ということとなっている。牛筋とはアキレス腱の部分や腱がついた肉の部分を指しており、にはゼラチン質が豊富に含まれており、脂身は少ない。ホルモンの部位とは異なり、あまり小売 店のショーケースには並ぶことが少ないと云う。専門店での調理法が映える部位なのである。名店の「牛筋煮込み」は、ほぼ飲兵衛たちの支持によって長い命脈 を維持しているのだと云っても良いのだろう。

季節外れだが春の「〆鯖(シメサバ)」に満足なのだった

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日本近海のサバの旬は、一般的には秋だとされている。カツオと同様に春頃から日本近海の太平洋沖を北上し、秋頃になると脂身をたたえたサバ達が南下の進路を辿るのだ。春の頃のサバはそんな北上の進路を経る前のもの達なのであるから、其のフレッシュさは秋のそれ達に対しても引けを取ることが無い。すなわち春季にフレッシュな〆鯖にありつけるということはラッキーなチャンスなのだと云うことなのだ。

そもそもサバは足が早いのでシメサバが定番となっているのだが、シメサバか刺身かにはこだわらず、新鮮なサバであるにこしたことはないのだ。青魚らしい鮮青色の身は秋魚の中でも特筆すべき味覚を主張している。このたび地元の八王子界隈で食した〆鯖もまた、〆鯖の醍醐味を味わうに足る逸品であったのだった。先ずは大切なことだが、決して塩辛くも酸っぱくも無いということ。大量の塩で〆めた〆鯖は日持ちはするだろうが決して本来の〆鯖の美味さを有してはいないのだ。決して塩辛くは無く、酢の酸味が喉を潤してくれる。青魚でありながら鯖の紅い身の色合いがまた食欲を誘っている。この時期にこそ食べたいメニューであることは間違いない。