「松本市美術館」の草間彌生展示室では、信州土着の創造性を存分に受け取ったのだ

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草間弥生さんといえば、信州松本出身の現代芸術家として名高く、先日訪れた「松本市美術館」の草間彌生展示室では、草間さんの独特な創造世界に接することとなっていた。まるで少女の頃からの特筆すべき創作のインスピレーションが、成人となって以降、或いは米国へ渡って以降、そして世界の名声を獲得して後の郷土の地に帰ってから以降…、といった全てが生々流転する草間さんの斑点のごとくに視覚化され、感じ取っていたのである。表現方法は絵画、ソフトスカルプチャー、コラージュ、版画、環境芸術、野外彫刻、映像、文学など多岐に渡り、それらの作品の生成過程を当美術館で目にすることとなっていたのである。

例えば「かぼちゃ」が此の地域の名産かどうかは知らないが、当信州松本においてはかぼちゃのイメージは、草間彌生さんの作品イメージに被っている。どうしても草間さんの作品イメージとかぼちゃそのものとを区分けしていくことが難しい。かぼちゃは信州松本においては郷土に密着した野菜であると共に、草間彌生さんという存在を通過して変容した「かぼちゃ」となって定着している。草間彌生さんの信州土着の創造性を存分に受け取ったのであり、また郷土松本との確執を経ての特殊な、云わば「関係の絶対性」というものを感じ取っていたのであった。

■松本市美術館
http://www.city.matsumoto.nagano.jp/artmuse/

■松本市美術館 草間彌生 展示室
http://www.city.matsumoto.nagano.jp/artmuse/p4/p3-html/p3-kusama.html

【追記】

撮影NGという規制のために当美術館展示室の模様を紹介することが出来なく至極残念である。公共的美術館がこのような固陋な規制に終始していることは納得できないということをここに記しておきたい。例えば岡本太郎さんの関連する美術館を見習ってほしいものである。