つぼみが開く瞬間こそ花の見ごろ

昨日の未明から、東京は大荒れだったらしい。らしいと書いたのは、家を出るまでそんなことは実感できなかったが、家の周りの風景が乱雑模様で散らかっていた。まるで台風一過の朝の光景に思えたのだ。しかも屋根のトタン材の一部が落ちて庭に転がっていた。慌てて屋根の修繕業者を呼ぶ羽目に。帰省する予定が急遽変更となったわけである。結局は屋根に上ってもらったところ、我が家ではなくお隣さんの家の屋根だったことが判明。普段は留守宅のお隣に、飛んだ屋根材とメッセージを置いてきたのだ。

そんなか、東京の染井吉野桜の開花宣言が発表された。例年より6日ほど早いという。昨日新宿御苑を散策したのだが、数十種類ある桜の木のほとんどに花を咲かせていた。地元の多摩でも見かけた「小彼岸桜」や「寒桜」「しだれ桜」などなど、一度に数十種類の花見見物ができる場所など、此処くらいしかないのではないか。今の季節は「染井吉野」がまだつぼみ状態で、控えめでおとなしくあり、却って桜鑑賞にはもってこいなのである。もともと江戸時代の信州高遠藩主の屋敷だったという土地柄なのか、高遠が発祥の「小彼岸桜」が勝ち誇るようにして威勢が良い。手入れも行き届いている。そんな姿がとても目に付いたのである。

本日は愛機「オリンパスペンE-P1」に「ニッコール28-85mmズーム」を装着して地元散策に出かけた。多摩の公園の桜はまだおとなしい。都心との気温差が3度程度あるというくらいだから、東京の開花宣言とはずれが生じるのだろう。どんな花もそうだが、つぼみが開くときのその移り変わりの瞬間が最も興味をそそるものである。