トマト鍋の〆は、洋風牡蠣おじやで決まりなのだ

急激に冷え行く気候に驚きつつ、またも鍋が食したくなった。今夜の鍋は「トマト鍋」なり。今年初めにアキン邸のパーティーにてこのトマト鍋をご馳走になったが、たしかそれ以来の対面である。

トマト鍋のスープを買い込んで、トマトスープをはった鍋に、豚肉、白菜、椎茸、エノキ茸、そしてこれが肝心の「生トマト」を投入する。グツグツと強火で煮込めば、トマトのトマトスープ煮といった按配となった。思えば近頃のおでんには、生トマトがおでん種として用いられており、トマトをスープで煮込む料理は珍しいものでもない。トマトをトマトスープで煮込む料理は実に理に適っているとも云えるのである。

煮込まれて真っ赤になったトマトを頬張れば、トマトのつんとした酸味はやわらぎ、トマト本来の甘味が増している。トマトだけでも大した鍋のネタとして認められるのだ。

そしてトマト鍋の〆は、洋風のおじやである。もう一品の季節食材こと「牡蠣」を投入するのがポイントだ。野菜の出汁が溶け出した特製スープにご飯を入れてそのまま中火でグツグツ。濃厚の牡蠣のもつ磯の香りが加わって、さらに奥深い味わいに。これだけ美味しいおじやはそんなにお目にかかれるものではない。大げさではなくそう思った。