「たこのとんび焼き」は試す価値ありの珍味

蛸は一般的にアホ馬鹿野郎の象徴とされるが、ただし口は達者である。意味の無い、あるいは無価値の言葉ばかりを矢継ぎ早に口にして自分の言葉に酔う様は、さながら寅二郎映画に出てくるたこ社長そのまにて、世に蔓延るものではある。そのほとんどは内実の無い詐欺師の実態ながらも、口先八丁で世の中を泳ぎ回るのだ。全くもって不条理というしかない。

脳の中身は空っぽなれども口だけが達者で世の中を泳ぎ回る馬鹿社長、おっと違った蛸社長、そんな蛸の口を取り出して火で炙ってみたならば、結構美味かったということを発見したのです。

そのメニューの名は「たこのとんび焼き」。コリコリとした軟骨の食感がなんとも云えない。ガスの火で炙れば上質のモツの様でもあり、しかも磯の風味も楽しめる。なかなか侮れないメニューなのでありました。

たまにはタコ馬鹿社長の口先をちょん切って食べてしまおう。そんな気分にもさせる珍味なのである。ちなみにタコには「タウリン」という必須アミノ酸が豊富に含まれており、生態活動を行なうにとても良い栄養素なのだから、沢山食べてみるに越したことは無い。