東京下町の紫陽花(アジサイ)は見頃なり

梅雨のジメジメジトジトした日々には紫陽花が見頃になる。決まっていることながら、やはりこの時期になると紫陽花を探してしまう。都会の、特に下町の路地裏に咲く紫陽花を求めて散歩するのがこの時期のならいともなっている。

漢字で紫の陽の花とは書くが、紫色のものばかりとは限らない。赤いもの、ピンクのもの、白いもの、赤青混色のものなど色とりどりである。

一般的によく見かける手鞠に比せられるものは「セイヨウアジサイ」という品種だ。花弁のように見えるのは実はそうではなく「ガク」に当たる。本当の花弁はもっとずっと奥深くに隠れている。

最近良く目に付く種類が「ガクアジサイ」と呼ばれる品種だ。花弁に見えるガクが取り巻いているその中央部分には細かな花弁が密集していて、生き生きとして微小に咲き誇るその様は見るものを釘付けにしてしまう。

年間を通してこの時期ほど町の裏通りの景観に思いを寄せることはないだろう。ただ緑の植え込みだとして見過ごされるものが、色々とりどりの花やガク等を開いて人々の目を釘付けにするのだ。

こんな景色はやはり散歩しながら求めていくしかない、季節の風物詩なのだろう。