長かった夏を惜しみつつ「シャリキンホッピー」で一献

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今年の夏は長くて暑さ厳しい、猛暑と云ってもよい夏であった。たまに暑さをしのぐのはかき氷ならぬシャリキンの氷を使ったホッピー。すなわち「シャリキンホッピー」なのである。長かった今年の夏を惜しむかのように、シャリキンホッピーを味わっていた。シャキシャキのカキ氷の中身はといえば全くの焼酎であり、焼酎のカキ氷かきごおりというのが正確な表現である。

稀なるシャリキンホッピーに口をつけると、まず初めには苦味走ったホッピーのほろ苦さが咽をくすぐる。そしてその後に襲ってくるのが、キンミヤ焼酎のキーンと来る刺激なのだ。カキ氷の姿と化したキンミヤ焼酎はグラスの表にぷかぷかと浮かんでいて、口をつけたおいらの唇、舌面、咽越しに、ピリリと刺激を与えていく。ぷかぷか浮かんでいるキンミヤ焼酎カキ氷のアルコール度は結構高いのである。心地よい刺激である。これこそホッピー文化が育んだ呑兵衛にとっての理想郷に近いものがある。

二枚貝料理の代表格「ハマグリの酒蒸し」を食する

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行き付けの酒屋で「ハマグリの酒蒸し」を食したのだった。ハマグリは二枚貝の中では大きな部類であり、アサリに比べて食べ応え、噛み応えも大きなものがある。しっかりした味覚もあり、食べ応えの満足感もまた大きなものである。

ハマグリ料理には、吸い物、鍋の具材、等々と様々な活用法があるが、とてもシンプルで味わい深いのが「ハマグリの酒蒸し」である。他にバター蒸しという料理があり、調味料としてのバターがハマグリ料理に独特のコクを与えている。酒蒸しのほうがよりハマグリのシンプルな味を味覚できるのだからこちらのほうかラッキーだろう。栄養的にはビタミンB2を比較的多く含むので、動物的タンパク質ともあいまって、身体に優しい味わいに満たされるのである。

「アジの塩焼き」に舌堤なのだ

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青魚の代表的な鯵(アジ)の塩焼きを食した。アジという魚は我が国ではほぼ一年中出回っているが、今の季節はより脂が乗って、特に美味を感じることがしばしばである。戻りガツオならぬ「戻りアジ」とも呼びたいくらいにその身は活き活きとして食欲を刺激する。

イワシとともに青魚の代表種であり、此の青魚がもつEPA、DHAという必須栄養素の摂取のためにも定期的に採り入れるべき食材なのだ。血液サラサラにする栄養素としてEPA、DHAへの関心は高まっており、この栄養素を摂取するのに生のアジこそがもってこいなのである。日本で食される青魚の代表でもあるのが鯵(あじ)である。「あじ」という名の由来は一説によれば「味が良い」からだとされている。たしかに魚の特有なこくが程よくのっている、美味な魚の典型ではある。鯵の干物にしても、また鯵の丸干しにしても、魚の脂が程よく染みていて、美味しさが一段と増すのだ。身近すぎることからあまり気付かなかったが、この鯵の恵みをこれまでどれだけ享受してきたことだろうか。

萩原朔太郎先生も好んだというカレー専門「ポンチ」の「オムレツカレー」を味わった

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上州国の前橋にはカレーの名店と云われる店舗が数店舗存在しており、そんな中でも旧市街地に在る専門店の「ポンチ」のカレーは、特別なる懐かしい思いに囚われてしまうのだ。
同店ではあまり食べた記憶が無い「オムレツカレー」を食したのだが、流石に懐かしい。今は亡きかつての前橋出身の詩人こと萩原朔太郎先生もかつてはこのポンチのカレーを好んで食していたということなのであり、おいらもそんな郷土の巨匠のエピソードに接して余計に味わい深く感じていたのだった。本日は何が其の要素だろうかと考えていたのだが、上州人はもちろんのこと日本人にとっての懐かしい日本のカレーが受け継がれていると云うことなのであろう。今回はおおよそ半年ぶりの来店だったが、やはり懐かしい思いは格別であった。

■レストラン ポンチ
群馬県前橋市千代田町3-3-18
027-231-2333

上州水上町の「おっきりこみ」はとても懐かしい味だった

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遅い夏休みをとって上州水上町を訪れた。JR水上駅を降り立ってすぐの前には「いわなの天ぷら」をはじめとしたいわな料理の看板があっ! と目を引く。店内を覗くと飄々とした店主らしき小父さんから「おっきりこみが美味いよ」との掛け声がかかる。いわなはおろかまだ食物にはありつけなかったのだ。気を取り直して駅から水上温泉街を散策していた。おいらが少年の頃の一時期には相当栄えた歓楽街であったが、今では其のような面影は、昔式の射的場などに微かに残すのみであり、寂れた温泉街の様相を呈している。食堂と云える店舗はラーメン店、うどん店、等々に行き違っていたが、何だか食欲が沸かないままに、温泉街を一周していたのであり、昼時には駅前の気になる店舗に舞い戻っていた。

店暖簾を潜ると本日二度目となる店主からは「おっきりこみが美味いから是非食べていって」と、いきなりのアッピール。おっきりこみ♪ のフレーズには弱いおいらは、いわなの前に上州郷土の名物「おっきりこみ」をいただくことにした。鉄鍋で煮込まれて出てきた其のおっきりこみの料理とは、ごん太い平麺のうどんがベースで、葱、南瓜、大根、牛蒡、きのこ、蒟蒻、等々の野菜類に加えて上州豚の出汁が効いた甘目の醤油味スープとも相まって、とても懐かしい味なのだ。夫々の食材が素朴に主張しており、ボリューム感も満点の味わい。似た料理に山梨の「ほうとう」があるが、上州の「おっきりこみ」の方がより素朴な郷土食だと云って良いのである。ちなみに同店の看板に在った「いわな」については、この時季は川が暑くて釣ったらすぐに死んでしまうとのことで、いわなのメニューはお休みしているとのこと。またいつか夏以外の季節に水上辺りに旅したら、いわなが食べたいという、一寸ほろ苦い思い出を温めていた。

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八王子「一平」の「自家製厚揚げ」で一献

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厚揚げとはどこのスーパーにも置いてある日常的大衆メニューであり、取り立てて騒ぐこともないのは重々承知なのではある。だがしかし、この自家製厚揚げは特別なものなのだ。八王子の大衆居酒屋「酒蔵一平」では「自家製厚揚げ」というメニューが人気だ。外はカリカリでいて中身はジューシーな絹漉し豆腐の温かく旨い食感が舌を刺激する。群馬の田舎では、厚揚げのことを「生揚げ」と呼んでいる。生のままの絹漉し豆腐をそのまま油に潜らせる。10数分を経て揚がり上がったほくほくのものを、葱、生姜、鰹節をのせ醤油を掛けていただく。まさしくほっかほっかの豆腐の旨みに加えてカリカリとした殻の食感がたまらない旨さのハーモニーを醸し出すのである。

■酒蔵一平
東京都八王子市東町11-5

上州前橋の中華料理店京華の「とまとラーメン」に舌鼓

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上州へ帰省中のおいらは、前橋の旧市街地の弁天通街に在る中華料理店にて「とまとラーメン」に遭遇した。店の前には同店舗一押しメニューとしての「トマトラーメン」の表示があったので、同店内に赴きつつ、ほぼ半分以上は邪道系メニューだろうと高をくくって注文してみたら、これが結構想定外の良き味わいなのだった。

基本的な中華料理のラーメンを踏襲し、イタリアンの要素を追加している。即ち、トマトとチーズが味の決め手となっている、イタリアンなラーメンなのである。

この弁天通りは何度も通っているのだが、実はおいらは此の店に入ったのは初めてのことだった。最初はそんなトマトラーメンの味を疑いつつも、次第に其の味の良さを実感していたおいらなのであった。さらに偶然のことながら、初めて訪れていた同店にて、おいらの父との遭遇もあったのであり、特別な愛着を持ったという次第なのでありました。

http://shunkou.exblog.jp/22136981

■中華料理 京華
前橋市千代田町3-9-2

いつもの居酒屋で「金目鯛の煮付け」にて一献

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いつもの居酒屋にて「金目鯛の煮付け」を食する機会に遭遇したのだ。金目鯛の優雅かつ個性的な外見や洗練された味わいは、高級魚の中でも特筆される。その特別な金目鯛の旨さを最も引き出す煮付け料理にありつけたことはこのところ無かった僥倖に違いない。

おいらは金目鯛が好きである。高級食材としての希少性とともに上品な白身魚の味わいが類を見ないのであり、此れを口にしたときこそ食の醍醐味を感じ取ると云えるくらいだ。金目鯛を煮付けや刺身で食するのは王道だが、そんな機会は滅多に訪れることが無い。

いつだったか伊豆へ旅行した際に期待していた金目にもありつけなかったことがあり、それ以来金目鯛を見ると、あたかもパブロフの犬よろしく口にしてしまうのである。

「なめこおろし」で胃袋のメンテナンスを行うのだ

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おいらはなめこが好きである。最後の晩餐にはコースメニューでなめこ料理をオーダーしたいと考えている。普段に食するなめこ料理は「なめこの味噌汁」であるが、なめこ料理は味噌汁ばかりとも限らないのである。なめこ味噌汁に次ぐメニューはといえば、なめこおろしということになる。おいらはじっと目を凝らしつつ、このなめこおろしの味覚に注目していたのだった。

「なめこおろし」とは大根おろしの上になめこが載っていて、少々の醤油を掛けて味わうシンプルなである。酒の合間のつまみとしても重宝する。大根おろしが胃袋に優しいのであり、しかもなめこにはゼラチンが主成分のネバネバ要素が、ムチンという健康成分を大量に含んでいることから、胃袋の健康維持には特に有効であることが指摘されているのである。

鮎は川魚の味の勇者である

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鮎という川魚を目にするとすぐに食べたくなるおいらである。鮎の本場といわれているのは四国の四万十川沿いであったりして、味覚的偏見人種はわざわざ四国などに出かけては鮎の塩焼きを食べているということだが、そんなことをする必要もなく、関東で提供されている鮎もまた、引けを取ることなどなく美味である。鮎という川魚はシンプルに塩焼きにして食するのが最も味わい深い。これは他の川魚である虹鱒、岩魚、等々の川魚においても云えることなのだ。全身に塩をまぶして炭火で焼かれた「鮎の塩焼き」はといえばまさしく川魚の王者に相応しい。よくある鮎に添えられる蓼酢のような余計なものは無くてよし。無くて更によしの逸品の味わいなのであった。

川魚の代表格として挙げれば、やはり鮎なのであり、その料理も鮎の塩焼きにとどめをさすと云ってよいだろう。こと海無し県こと群馬県にて生まれ育ったおいらの事情を述べさせてもらうならば、日常的に鮎は食べたことがなかった。川魚といっても鮎は特別なのであり、鯉や鮒や虹鱒くらいにポピュラーだった川魚とは一線を画して高嶺の魚だったのである。であるからしておいらも鮎の美味さを知ったのは、高校を卒業して後のこと。しかもかなりの年月を経て20代も後半に差し掛かっていた頃だったと記憶する。