秋葉原連続殺傷犯の加藤智大は、果たして「裏切った」のか?

秋葉原連続殺傷犯である加藤智大の被告人尋問がマスコミの紙面を飾ってから、少々の時が経過した。それ以前、事件直後に抱いていた大まかなイメージを、覆するような被告人の裁判における発言が、意外な成り行きだとして報道されてもいた。取調べ時に加藤智大が語っていたとされるものと、裁判の被告人尋問で語られた内容とのギャップに、スポットが当たっていた。

確かにおかしいと思わせる内容であった。それは何かしらのおかしな作為が感じ取られていたからである。加藤自身の「自己分析」による告白内容のいかがわしさがそこにはあると感じ取らすに充分であった。あまり賢くもなさそうな被告人の口から語られた「告白」のほとんどが、虚飾に満ちていると感じさせるものであった。

先週発売された雑誌「AERA」では、「アキバ事件 被告が語った『真の動機』『加藤よ、裏切ったな』」との見出しで、加藤智大の裁判を特集している。だが実際は特集というのはオーバーであり、たかが3ページほどのレポートでお茶を濁している、些か薄っぱらな企画ものというのが妥当だろう。

被告人加藤智大が裁判で語った内容は、報道関係者のみならず、加藤被告を慕い思いを寄せる加藤ギャル達をも失望させている。仕事が無い、不細工である。女に持てない、等々のネット上の「告白」が、やらせだった、嘘だったと語っているのだから、彼に多少なりとも「同情」していた全ての人間に「失望」をもたらすに充分であった。

仮定の話にはなるが、たとえばこの告白内容が、加藤被告本人が望んで語ったものではなく、弁護人による誘導があったとしたら事は重大である。今後の裁判の行方に益々目が離せないものとなっている。