仮面の画家こと「ジェームズ・アンソール展」が開催

新宿の東郷青児美術館にて「ジェームズ・アンソール―写実と幻想の系譜―」展が開催されている。本日は遅ればせながら足を運んだのだった。確か15~16歳の頃だったろうか、其の作品に接したときの衝撃は甚大なものがあった。当時はたぶん、画集のイメージとしての出会いではあったが、それから数十年を経ての邂逅となったのである。

■「ジェームズ・アンソール-写実と幻想の系譜-」展
会期:2012年9月8日(土)~11月11日(日)
会場 損保ジャパン東郷青児美術館
http://www.sompo-japan.co.jp/museum/
開館時間: 午前10時-午後6時。

「仮面の画家」としての評価が定着しているアンソール作品だが、展覧会にて展示されているおよそ9割かそれ以上は、ベルギー的写実主義の作品が占めていた。それら作品の誕生を紐解くようにして、ルーベンス、ヴァ・デル・ネール、ニコラス・マース、ヴァン・ダイク、ピーテル・ブリューゲル(子)等々、同時代のベルギー、オランダの作家たちの作品群が展示されている。伝統的描写のスタイルに影響されていたアンソールの全貌をとらえるにはもってこいではある。

アンソールの代表作とされている「陰謀(1890年)」は、出品作品の目玉でもあり、彼の周りに居る人々の肖像を仮面を被った肖像群として描かれている。仮面や骸骨をモチーフとして数々の作品を描いたアンソール作品の中でも、もっとも強烈な印象に彩られている作品だ。

一つの解釈ではあるが、其の指指しに其の謎を解く鍵があるとされている。一人の人間に対してその周囲を取り囲む仮面的人間たちによる陰謀が表現されているということなのだろうか。