明らかにすべきは橋下徹の出自ではなく彼の政治的誤謬である

橋下徹大阪市長が今週発行の「週刊朝日」の記事に噛み付いて、またぞろ話題をかっさらってしまっている。佐野眞一氏と取材班による「ハシシタ 奴の本性」という連載がそのターゲットだという。

おいらは先日、この雑誌記事を立ち読みにて読んだが、大阪市長選前の「週刊文春」の記事の後追い的印象しか感じ取ることなかったものではあった。著名なノンフィクション作家によるレポートとしては感情的筆致が随所に見られ、些か筆が荒れているという印象を持っていた。

早速、反撃的攻撃を仕掛けた橋下徹であるが、彼はほとんど野生動物的な反射的攻撃力を有しており、これこそがおそらく日本の政治家の誰もが持ち合わせぬ極めて稀有な資質なのである。

肝心なのは、決して橋下徹の出自ではなく、彼の政治的誤謬についてを明らかにすることである。これまで我が国における政治評論家やノンフィクション作家の誰もがこのテーマにて論を展開してこなかった、或いは出来なかったことこそ、橋下徹の特異な存在性を表している。

佐野眞一氏が今後どのようにレポートを展開していくかは判らないが、出自やそれに関することばかりに拘れば、より一層の反撃的ターゲットを振り撒くのであり、老婆心的心情ながらも危惧しているところである。