浅草の「伝一郎」にて「キムタク炒め」を味わった

花見に浅草へと乗り込んでいった後で、「ホッピー」の看板に引き付けられるようにして入ったのが天空酒場の「伝一郎」。まるで仮の芝居小屋かと思わせるような木造の建物。天空との境は半透明の板で仕切られていて開放感が漂っている。

賑やかな店内に入るとモヒカン刈りの青年が注文を取りに来た。パンクロックのボーカルでもやっているのだろうか。バイトがこんな店では正規職にも感じさせ溶け込んでいるから不思議だ。大衆居酒屋らしく串焼き、煮込み、唐揚げ等々がメインのメニューであり、先ずはホッピーと共に串焼きの盛り合わせを注文する。

咽と胃袋とを潤わせながらメニュー表をめくっていると「キムタク炒め」というメニューが飛び込んできた。初めて聞くメニューであり、料理の写真の代わりにキムタクこと木村拓哉の写真が添えられている。キムタクが好き好んで食べる料理なのか? 或いは…?? との疑問は抱きつつ、試しに注文することにしたのだ。

そして出てきのが上の写真である。一見して赤々としたキムチが大量に使用されているメニューを見てすぐさま合点がいった。これは「キムチがたくさん入って炒めた」料理だから「キムタク炒め」なのだということ。

何だ駄洒落じゃないかとほくそ笑みながら、当のキムタク本人も駄洒落CMで世間を賑わせていることを思い出し、所謂一つの駄洒落症候群の具体的現象をこの目と舌とで確認したという訳なのである。

キムチの他には玉葱と少々の豚肉、それに白胡麻、唐辛子などが用いられていて、キムチの瑞々しくピリリとした食感を生かしていてそこそこいける味わいであった。

■伝一郎 浅草炭火焼き天空酒場
東京都台東区雷門2‐20‐8