カツオの喰いおさめは、カツオのまご茶漬けなのだ

秋も深まってきており、今が戻りガツオのまさに旬といえよう。

秋に戻ったカツオはたっぷりと脂が乗っており、初ガツオよりも味わいは何倍も充溢していることは、カツオ好きならば誰もが知っている事実である。

もう旬のカツオを味わえる時間は僅かしかなく、其れならば充分に味わって食べたいと云うことで、「カツオのまご茶漬け」にしたのだった。鮮度の良いカツオの刺身を丼に乗せて、熱いお湯を掛けてお茶漬けにしたもの。

本来のお茶漬けとは緑茶を掛けるものだが、ことまご茶漬けについては緑茶でなくても宜しいとされる。魚舟の上にて取れたての魚を捌いてお湯に掛ければ、魚の出汁が丼中に滲み出て、それ以外に余計な味付けは必要ないと云うことが最大の理由であるからにして、シンプルイズベストの料理法とも云えるくらいだ。

鮮度を示しあらわすピンク色の身が、熱湯を注ぐことにより白く装いを変える。とても澄んだ白色であり、これはまさに魚の脂を示す白色なのだと云うべきなのである。