秋のほかほか栗ご飯なのだ

土鍋で「栗ご飯」をつくった。冷蔵庫に残っていた椎茸と南瓜を加えて秋の三点盛り炊込みご飯だ。

土鍋の蓋から上がる蒸気が溢れると、ほかほかとした甘い香りが部屋中に漂っていく。水蒸気が吹き上がらなくなるころからがほんのりおこげご飯が出来ていく過程なのであり、耳を鍋に近づけて、しっかりと炊き上がりを確かめていく。火を止めてそのまま15分程度蒸したら出来上がり。

出来たてを口にすれば、栗のとろけるような甘味が口蓋中に広がる。甘味が染みたご飯もまた申し分が無いくらいにほっこりとした味わい。この時ばかりは椎茸も南瓜も存在感が霞んでしまった。殊のほか際立っていた主役は栗のほかほかさだったのであった。