某大衆居酒屋で飲んだ「フグのヒレ酒」にうっとり

ほとんど偶然的に立ち寄った某居酒屋にて「フグのヒレ酒」なるメニューに遭遇。早速飲んでみることにした。

高級料理とは大違いであり、通常のグラスの中には、普通の日本酒の中に焼かれた形跡のある多分フグのヒレなのだろう代物が埋もれていた。埋もれていたという表現は妥当か否かはおいらも自信が無いのだが、あまりにも無防備に配置されていたそのフグのヒレの様相は、その焼き方もいい加減なものとして映りつつ、焦げ目が目に付いていたし、ちゃんとして時間をかけて焼いたという形跡はまるで無かったのである。

出てきた「フグのヒレ酒」のグラスに先ずは鼻先を近づけてにおいをかいでみる。何年か相当昔に経験した「フグのヒレ酒」の面影は無きに等しかった。

それでもおいらは酔いと勢いとにまかせて飲み干していたのだが、飲み干した後味は決して悪くはなかった。飲み終えて見たフグの焼かれたヒレは、食べる気持ちを起こさせるものではなかったが、軽く咬んでみれば、焦げ目の味わいの中に、フグのヒレの焼かれた味わいを舌に感じることが出来たのであった。

という訳で、結論としては、焦げた焦げ目のフグヒレの味わいに大いに埋没して、うっとりと酔っ払ってしまったというおいらなのではある。