ネーミングがミスマッチだがなかなか受けた「農協サラダ」

行きつけの居酒屋に「農協サラダ」というメニューがある。農家の全国組織の名を冠しているのだが、当の農協にネーミングの許可を取ったという保証は全くない。ご存知「農協」とは日本最大の農家による組織であり、夏日は毎日ゝ汗して働き、冬には雪や寒風から大地の息吹を絶やさず守ってきた人たちによる団体であるので、さぞや感動的なメニューかと初めは想像していたが、これが実はまったくもってお茶らけたメニューだったのである。

出されたそのサラダを前にして目を引くのは、メロンとパイナップルがドカンと鎮座していることだ。南国特産の果物であり、農協が扱う主力商品であるとはとても云えない。その他に、サツマイモ、トマト、アスパラ、等々がうず高くてんこ盛りにされている。なかなボリュームなのだが、頓珍漢な組み合わせと云うしかない。味付けは、普通のマヨネーズのみである。ちょっとした拍子抜けなのである。

それでも同席した知人には受けていた。おいらも些か浮き浮き気分で南国風果物野菜の盛り合わせを頬張っていた。まるでその時のおいらは、子供が喜んで箸を付けている様な気分であったことを振り返りつつ思うのである。