ホッピー党宣言

「発泡酒の時代」が来ても「ホッピーの時代」はいっこうにやって来ない。これは90年代の酒税法改定の流れが最大の要因となっている。

日本人なら誰でも知っていることだが、かつて1994年にサントリーから「ホップス」が発売されたのが、発泡酒ブームのルーツである。実はそれ以前の戦後の一時期にも発泡酒が売り出されたことがあった。だが当時はヒットする気配さえ見せなかった。「カストリの時代」と呼ばれていた当時、発泡酒は人々の記憶に残ることさえなく、敗れ去り消え去ったのである。それが平成の時代の大逆転なのだから、二度びっくりである。

寮美千子さんが先日のコメントで指摘していただいたことだが、発泡酒といえばビールに比べて「軽くて、偽者で、チープで、そこそこ楽しい」という4条件を満たしている。平成の時代を背景に、現代人が求めている嗜好に見事にかなっているかのようだ。馬の鼻前に吊るされた人参を追う馬のように、人々は発泡酒を追い続けていくのだろうか?

そんなことを思うたびに、「発泡酒」を飲みたくなくなる。最近の晩酌は、外ではホッピー、家ではビールと決めているのもそのためである。