「甘海老磯辺揚げ」を食して思うこと

ありそうでいてなかったメニューなり。

ありそうでいてなかったメニューなり。

クリスマスイブだというのに心と体はいつになく沈んだまま、1日を過ごしてしまった。昼休み時に外を歩くと悪寒が走った。これはやばい。午後は上着を脱ぐこともなく、机で伏していたような様である。同僚の未来のIT長者は「ジャケット脱がないんですか?」と、妙な質問を投げかけたくらいである。その未来のIT長者はと云えば、1歳のベビーを囲んで一家団欒のホームパーティーを催すのだろう。「これから銀座で、クリスマスケーキを買って帰ります」とルンルンなり。

さておいらは、今宵もまた某居酒屋にて、一服ならぬ一酔を決め込んできたという訳なのでありました。注文した数品の中で、「甘海老磯辺揚げ」というメニューは、近頃になくヒットであった。甘海老を丸ごと殻付きのまま、薄い衣をまぶして揚げたものだ。甘海老の殻というのは揚げてみれば、子供の歯でも難なく噛み下せるものであり、丸ごと食べられるのである。この殻を捨てるなぞもったいないこと甚だしいのだ。そういえばかつて、寮美千子さんのご自宅に呼ばれてホームパーティーをやったとき、甘海老の刺身を食したその後で、残りの「殻」を揚げて出してもらったことなど思い出した。サクサクと香ばしいその「殻」は天然カルシウムの宝庫である。そんな料理を振る舞う寮さんのセンスに脱帽したものであった。

毎年暮れから新年にかけて、旧知の友人たちとホームパーティーを催す慣わしだが、今年は某アキン邸にて新年会が決定した。何か心浮くような料理をお見せしたいと目論んでいるところなり。今から楽しみなのである。