オパール寸前のアンモナイト

先日もレポートした「奥野ビル」内の某ギャラリーにて、アンモナイトの土器を発見したのです。燻し銀のごとく妖しい輝きを発するその土器は、宝石のオパールに変化する寸前のアンモナイトのものだという。モナッコ産なり。

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アンモナイトが妖しい輝きを発していたのである。

銀座一丁目の由緒正しき奥野ビルは別名で「骨董ビル」とも称され、十数軒のギャラリーが軒を並べているのであるが、それかあらぬか、ビル内ギャラリーには、陶器関連、時代物関連、高齢者関連、等々の展示でこれでもかと云うくらいに骨董関連に溢れている。そんな中で今日遭遇したのが「土器」を専門に扱っている展示室であった。信州をはじめとする国内産の土器から、欧州、アメリカ大陸産のものなど多様に渡る。世界中を駆け回って収集しているマニアによる展示会であった。骨董の中の骨董とも云える「土器」専門展示。流石に「骨董ビル」に棲まうギャラリーの名に恥じないものである。

今日もまた当ビルの探索を決行したのであった。有り難いことにこのビルには骨董エレベータと呼ぶに相応しい文明開化の利器が設置されているのである。まずはビル最上階の7階へ登るのである。鉄格子と見紛うエレベータの扉は、がっしりとしたドアノブを手にして回さなければならない。手動式である。降りるときにも二重に設置された扉を開いて、手動で閉じなくてはならないのである。かりに手動扉を閉じ忘れたらば、エレベータ自体が動くことを止めてしまうのだから、このビルの住民、利用者にとっては死活問題なのである。

骨董品だろうが天然記念物であろうが容赦なく破壊する、我が国の非常識にかんがみれば、早晩の間に取り壊されること必至なりの奥野ビルなのである。このエレベータに乗るだけでも奥野ビルを探索する価値がある。小声ではあるがここで断言しておきたいと思うのであった。

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二重に設置された鉄製の扉がいかついのである。