年末ジャンボ宝くじ協奏曲

有楽町駅前の宝くじ売り場は、毎日朝から、年末宝くじを求める人間たちによって長蛇の列が作られる。師走の寒さもどこ吹く風とやらとばかり、防寒具に身を包んで、ニタニタ顔の行列である。初めてその光景を目にした朝は、おいらは何か新興宗教の御託宣を受け取る集団に出喰わしてしまったのかと、思わず知らずに身構えてしまったものである。こんな集団に拉致、洗脳されてしまったらばたまったものではない…。

しかしながらその集団は、新興宗教のそれではなくて、一攫千金を求めていた人間たちによる列だったのである。云わずと知れたことであるが宝くじのみかじめ料は5割を超えている。膨大なものとなる。一部の恵まれた人を別にすれば、ほとんどの国民がせっせせっせと汗水たらして、時には胃袋に穴を開けながら、理不尽な上司に相対して受け取った貴重な給与を、こんなものに上納して良いはずがないのである。

おいらはこんごとも、取材によるネタが必要となったとき以外には、絶対に宝くじは買うまいと心に決めたのでありました。