過ぎ行く冬を惜しんで「鍋」考現学なのだ

人間にとっての厳しい季節である冬も、あともう少しで通り過ぎようとしている。昼間ポツポツと降りかかっていた雨も上がり、何やら生暖かい空気が吾が身を包んでいた宵なり。一杯やろうかと立ち寄った店にて食したのは「餃子鍋」であった。

鶏がらの出汁をベースにした濃い目のスープに大型の餃子と白菜などの野菜類、それに白滝風の麺が顔を覗かせている。肉や魚が無いぶん、それだけカロリーも低く抑えられ、しかも存分に鍋を食した気分になれるのである。ありそうでなかった鍋のアールヌーボーと云って良いだろう。

昨今の鍋事情を振り返って、ベスト5を挙げてみれば、次のようになるだろうか?

1 アンコウ鍋(やはりこれは別格)
2 テッチリ鍋(やはりこれも別格)
3 しょっつる鍋(これまた絶品の相性なのだ)
4 ほうとう鍋(味噌と南瓜の相性が○なのだ)
5 餃子鍋(中華スープの鍋が○なのだ)

その他の多くの鍋類(寄せ鍋、ちゃんこ鍋、モツ鍋、カレー鍋、トマト鍋、火鍋、おでん鍋、芋煮鍋、等々その他諸々)に関してはおしなべてごった煮風の鍋であるゆえ、評価の対象外とさせていただきました。