「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」を読む

取り立てて秀でている訳でもなく、感動的でもない内容の書籍なのだが、ずっと気にかかっていて、先日古書店にて購入し読了した。
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もともとニート(NEET)で新卒の主人公は、他に当てもなく中小のITプログラミング系の企業に就職してしまうのだが、初日からおおわらわの体験を味わって、現代社会における企業の「ブラック」を認識し、そしてそれに耐えられずに悶々とした日々を過ごすことになる。そして、それら悶々とした日々のあれこれを、某大手の掲示板に吐き出して纏められたというのが、同書の基本的な構成となっている。

サービス残業は当り前。這いつくばって仕事をしていても未来は来ないのは当然なのだが、そんな世界でも一生懸命に働いてみようという若者が存在することこそ不可思議でもあり、世の不条理を冗長させている要因でもある。そんな不条理の世界をこれでもかと見せ付けられる読書体験となってもいるのだ。

「マ男」というハンドルネームが付いて、主人公は粉骨砕身し頑張っていくのだが、次第に矢折れ刀つき、予定調和もままならぬ結末に突き進んでいくことになる。それにしても今時の経営者のモラルハザードは酷い。こういう奴らが少し前には大口叩いて、経営がどうの日本がどうの文化がどうのと云っていたのだからあきれ返る。結末はそれぞれに受け止めて感じ止めて頂きたいと思うのだ。